7月12日 大鳥沢

エコミュージアムの出勤日だったが、団体客がキャンセルになった為、出勤せずとも良い旨連絡があった。
例によって、1日何処かで山歩きというわけには行かず、午後3時までには家に居なければならない。
色んな山を思案するが、なかなか適当なタイムスケジュールに相当する山は見当たらない。
第一、帰りの時間が限定されてしまうと楽でない。
会津蒲生岳にでものんびり行ってこようか、それとも・・・。
前毛猛山の道でも調べに行ってくるか・・。
以上のような、二つの事が頭に浮かんだ。
取り合えず、同じ道を走らなければならない。
会津蒲生岳に、昨年至っているし、どんなにゆっくり登っても、山頂までは確実に至れる。
よって、前毛猛の下調べと言うことで大鳥沢を詰めてみることにした。
出発したのは、9時だった。
大鳥沢はすぐ傍にあり、冷たそうな水をペットボトルに補給する。
川の中に入ると直ちに山道は消えた。
はてさて、どうしたものかと考えていると、左岸方面に道型のようなものがある。
一旦沢を離れて尾根筋でも捲いているのだろうかと、道らしきところを入ってみる。
10分ほど登るが何もない。
そんなことを2回ほど繰り返す。
沢に再び下って、沢を歩き始めると、何のことはない。すぐの所に道が有った。
しょっぱなから、30分の無駄騒ぎをした。
水量はさほどなく、長靴でも水は入らない深さで歩きやすい沢である。
未だ食べれそうなタチアザミがある。
岩肌には、ダイモンジソウやモミジカラマツなどの植物ががたくさんあった。
沢は、全体的に勾配が緩く、なめ滝のようになっているところもあり、雰囲気は良い。
しばらく行くと、大きな水の音が聞こえてきて、滝が有るようだ。この滝は、おそらく、5月に豊栄山岳会の風太氏と共に、毛猛山〜前毛猛山をやった時に見た滝だろうと思う。
あの時、ここを来なくて正解だったのだとつくづく思う。
山道は捲いている筈なのだが、よく解からない。
なるべく滝の近くの、比較的危険の少ない岩場に掴まりながら登る。
自分の腹回りも有るような、大きなコシアブラの木の袂に山道は有った。
滝を大きく捲いて、山道を歩き、再び沢に入る。
この山道は、基本的には、ゼンマイ道である可能性がある。
しばらく、小さな小滝を捲いたり、沢の中に入ったりを繰り返す。
そのうち、山道は山道らしくない、木をちょん切った程度の道となる。
しかし、テープが捲かれており、ここです・・と言っているようだ。
進んでいくと、見覚えのある草原地帯に出た。
「ここだ、ここだ」喜んで草原を登っていく。
草原には、キンコウカが咲き始めており、ヤマサギソウのような地味な欄も見られる。
この草原を登っていけば、山道にぶつかる筈だ。
しかし、解からない。
確かに位置的には正しいと思われる。
確認の為に横に移動したり、下に下ったりを繰り返す。
依然不明なので、もう一度沢に出て見る事にした。
見ると、沢筋に道型のようなものも見られ、再度赤テープのようなものが水に流されている。
全く解からない。
国有林の測量に使ったものとか、沢登り愛好家達のものとか、或いは残雪期のものであったりと、色んな目印が混ざっていることも考えられる。
いずれにしても、今日は時間的にも登ることは不可能であったので、しばらく沢を登ってみることにした。
完全に道型らしきものはすっかりなくなっており、沢は大分細く急になってきた。
奥手に前毛猛山の一角が見えそうなので、左手の草付の岩場を登ってみる。
名前のわからない小さなランやトキソウも有り、ニッコウキスゲも咲いていた。
シモツケソウも沢山見られる。
いい気になって登っていると、かなりヤバイ事に気づく。
滑って落ちたら沢まで転がっていきそうだ。
掴まるものはヌマガヤの草だけだから、慎重に足を引っ掛けて登る。
草原のニッコウキスゲと、前毛猛山と思しき山をカメラに収め、下り始める。
同じ所を下るのは危険なので、藪の中に一旦入り、そこから沢筋目掛けて下った。
大きな滝を捲いた所で、未だ時間も早いのでラーメンを食べることにした。
近くに有ったアザミを採ってきて具にする。
最近はラーメンはあまり美味いとは思わなくなってしまった。
おにぎりと味噌汁なんかの方が美味いかも知れぬ。
今日はどちらかと言うと、遊び感覚であったので、さしたる収穫もなかったが、それなりにおよその位置も解かったので
それはそれでよしとすることにした。
次回は、最初の草原地帯からそのまま藪をもろともせず尾根まで登る・・・か、
沢を詰めれるだけ詰めれば、前毛猛の真沢に当たり、そこからはブナの大木が稜線手前まで続いているので、さしたる時間は掛からぬ感じだ。
今度、豊栄山岳会のYさんが行って見ると言うので、Yさんが登った結果を拝借というのも手だ。
いずれにしても、3時間までは掛からず登れるかと思う。
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