11月6日 常連さんとのキノコ採り

2回目の常連さん達とのキノコ採りの前夜、喉の調子もなぜか良く、
赤ワインを頂きながら気持ち良く「TUNAMI」などを歌った。
 朝は、昨日のアルコールが体内に少し残っていたようだ。
所用を終わらせ、適当な時間に出発した。
何処に行こうかと決め兼ねていたが、今の時期、キノコなどあまり期待は出来ない。
岩魚橋の袂に車を停め、そこの遊歩道でも使って歩いてみようと歩き出した。
岩魚橋はタチガラ岩の下流に位置し、砂防ダムの滝が直ぐそこに有り、なかなかの景色が楽しめるスポットだ。
「綺麗だねぇ〜」と、それぞれに台本通りの言葉が飛び交う。
綺麗なんだろうなぁ・・と、思う。
晩秋は、やはり一抹の寂しさを感じさせる。
葉っぱは落ち、冬枯れの様は心の中まで空っ風が吹くような気さえしてくる。
しかし、それは人間だけのセンチメンタリズムに過ぎない。
木々は、余分な物を落とし、冬眠に入るだけなのだ。
言い換えれば、木々達の夏休みならぬ冬休みなのだ。
ただ、来年の春に向けての準備は怠らない。
冬芽を持ち、花芽もつけている。
ヘビーな新潟の湿雪に対応するべく、邪魔な葉っぱは殺ぎ落とさなければならない。
見方を変えれば、すっきりとして、逆に喜々として見えないことも無い。
 それらの中に、靭性の有るモミジの木々達は最後まで光合成を行っていたのか、まだ赤い葉っぱを残している。
それが、見渡す冬枯れのブナ林の中、異彩を放つかのように強烈に視界に飛び込んでくる。
それが尚一層切なく、感情の有る人間達の格好の感動物体となっているのだ。

キノコは、・・・ない。
有る雰囲気ではない。
二次林のブナ林の林床にはツバキの木が目立ち、森そのものが成熟していない為だ。
尾根の上まであがり、道も不明瞭なので再び折り返し、別の場所へと移動する事にした。
 田代平へ向かう林道が先月決壊し、車は通れない。
歩いてしばらくその辺を散策することにした。
森をみると目立つのはユキツバキの緑と、リョウメンシダなどの緑のみである。
こういう時期の自然観察は、割と色んな物が見え、逆に面白くも有る。
葉っぱが無い為に、藪はスカスカ状態であり歩きやすい。
適当な場所に荷物を置き、各自藪の中を歩いてみる事にした。
道路下に歩き出すと直ぐの所にツキヨタケが現われた。
「これは・・・」と、一応講釈などをし、説明する。
次に小さな小枝状の木に、ブナハリタケが少々くっ付いていたのでそれを採る。
ちょっと場所を替え、大きな倒木の近くに行って見ると立派なムキタケがあった。
久々に天然のムキタケに遭遇。
それぞれに色んなキノコを採ったらしく、これがもっと適度な時期ならば、嵌まるだろうと思う。
女性郡はシロナメツムタケの群生に出会ったらしく10本ほど採っていた。
これ以上、探してもあまり期待はできぬと宴会の準備に入った。
女性陣は、早速手際よくソテーや鍋の準備に掛かった。
こちらも採ってきたキノコを処理し、準備を手伝う。
早速焼けた料理を頂き、堪能した。
程よくアルコールも体中に回り、胃袋も久々のダイエット食から開放され、満腹を貪っていたようだ。
林道にはブナの葉が絨毯のように覆われており、ふかふかして気持ち良く歩いた。
 晩秋は終わりではなく、次への始まりなのだ・・・。

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