5月29日 守門岳・大岳
3時45分にヘッドランプを点けて歩き始める。
流石に暗いが少し白み始めているようだ。
この時間帯に鳴いているのはホトトギスとツツドリくらいだ。
今日は仕事の都合で午前中までに下山しなければならない。
よって、この時間での出発であった。
荷物はザックだけなら良いのだが、イボ竹を20本ほど担いでの歩きなので滅法歩きづらい。
エデシ尾根の取っ付きまで辿り着くと、夜も明け、見事な守門岳の筋肉が見えてきた。
ヤマツツジ・ムラサキヤシオ・タムシバ・アズキナシなどの樹木の花々も美しい。
1時間10分歩き、見晴台に着いた。
22日に行った大雲沢〜三人グラを眺め、感慨にふける。
三人グラの位置は、駒の神の稜線のやや下方にある平らな稜線を指す。
三人グラの由来は、熊狩りの際、その平らな尾根に3人の射手を付け、そこに向けて熊を追い上げると言う事らしい。
22日のルートを目で辿り、苦行を振り返った。
20日ぶりの守門岳の登山道は、大部雪が解けていた。
水場に下りる所まで全く雪は無い。
そこから二の芝上部まではいつもながらの大雪渓が残っている。
6時半頃ようやく山頂に着いた。
ちょっと遅いペースだが、イボ竹の荷物が堪えたようだ。
少し休憩し、山頂の草原保護ロープの破損部分の除去と、設置を行った。
良く見ると、虎ロープの一部が燃えているし、さらに良くみると草原の枯草が燃やされている。
おそらく誰かが、ある事に感情的になり、ロープを燃やしたものが草に燃え移ったものであろうと考えられた。
30分ほど作業をし、何とか終了した。
7時20分に大岳に向けて出発。
青雲岳の木道開始部分から青雲岳山頂までは綺麗に雪が残っている。
雪渓が残っている部分と、夏道とのはざかいに赤布を捲きつける。
網張りでは所々シラネアオイが見られた。
行っていない所に行ってみたい欲求・・・、これは誰しももっている欲求であろう。
守門岳山頂〜袴腰〜烏帽子山、この稜線も、勿論歩いて見たいが、その下部に平らな雪の平原がある。
守門岳の山頂からそこに向かって、スキーで下りたい突然の欲求に駆られた。
いずれにしろ、そういう所に実際行ってしまう人間は、やはり奇特と言えるだろう。
大岳から折り返して、川内山塊を見ると、青里や矢筈が見え、その後ろにうっすらと飯豊山塊が見える。
深い雪で磨かれた川内のスラブは、標高に関わらず厳しさを湛えており、
後ろに飯豊を抱えている様は、より一層川内の魅力を引き立たせているのであろう。
山頂に再び戻ると、二口コースから登ってきたと思われる登山者にあった。
挨拶を交わし、山の同定に付いて聞かれ、知っている範囲内で教える。
結局守門岳山頂から大岳までのピストンでは、毎回の事ながら2時間要した。
二の芝〜三の芝間、及び、雪渓から夏道への誘導部で、思いのほか赤布を捲きつける。
これは、誰か気の利いた人が融雪の際、赤布を使いたいと思う時の為に多めに捲いておいた。
雪渓を過ぎ、見晴台に向けて下っていると見たことのある格好の登山者が登ってきた。
同じ山仲間のヤマボウシさんである。
なんとこの暑いのにザックにスキーを括り付け、片手にストックと角スコを持っている。
三の芝でジャンプ台を作り、エアターンの練習をするのだと言う。
相変らずやる事に好感がもてる。
帰りにビールでも飲んでいって・・・と挨拶をし、下る。
途中で、又膝が痛み出してきた。
異常が有るのか無いのか、治るのか如何なのか、はっきりさせるべきだななどと文句を言いながら下る。
登山口付近では、ワラビ園工事が進んでおり、バックホウが3台、轟音を轟かせて耕うんしていた。
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