2月21日と22日 裏山トレッキング
21日は、午後1時で用事が終了し、何処かへ[シロ]を散歩に連れて行きたいと思っていた。
もう午後の2時30分だが、ちょっと裏山にカンジキの足慣らしに行って来ようと思い立った。
今年は、スキースクールの関係で、全く狩猟のうさぎ狩りには出れなかった。
幸いに野兎駆除の許可が出ている・・・が、午後2時を回っているし、銃は持参しない事にした。
道路には雪の壁があるが、なるべく低い所を目掛けて攀じ登る。
2月の初旬に降った大雪だったが、今となってはその欠片も無く、なんとも情けない雪の量である。
地形そのものが冬の地形ではなく、夏の地形である。
意味が解るであろうか?
つまり、冬、雪が大量に降ると、吹き溜りなどが形成され、無雪期の凹みなどが解らなくなってしまうのである。
要は、そういうのっぺりとした雰囲気が無いのである・・つまり、小雪なのである。
シロはあっちこっち散策したそうなので、手綱を離し、開放してやった。
たちまち、鉄砲玉にようにトンずらして行った。
40分ほどで、浅草岳や守門岳が見える高台に着く。
ここで、2回目の休憩をする。
標高は500mくらいであるが、大白川部落を一望でき、大原スキー場も全て見渡せる。
○○山に登った・・・こういう記録は書けないが、単にそこら辺の名無し山に登っても気分は良い。
大体が、我々鉄砲撃ちや、山菜採り、キノコ採りなどは、名前無し山に数え切れないほど登っているのであり、
そういう意味では、距離に換算すれば、かなりの山々に登っているのかもしれない。
ぐるりと回って、平らな所に出ると、目の前に福田石材の持ち山の山伏岩が聳え立つ。
尾根筋を観察すると、登れぬ感じではない。
登り始めたのだが、正面は、60度以上ある斜面である。落ちたら終わりだ。
途中で引き返し、下り始める。
ザラメの雪をたっぷりカンジキに引っ掛けながら下ると、目の前のブナの樹から兎がヒョコヒョコ飛び出してきた。
生憎銃は持参していない。デジカメをとり出し、撮影を!!と必至で撮るが、結局間に合わない。
「チックショウ〜、一網打尽だったのになぁ〜」とののしり、何度も振り返った。
そこを通り過ぎ下り始めると、下に向かってウサギの新しい足跡が延びている。
そのウサギの足跡を辿って目で追うと、「シロ」が何かを物色していた。
「シロ」を呼ぶが、全く自分の声を歯牙にもかけない。
そのうち「シロ」は杉林に入って行くと、なにやら切なさそうに吼えている。
「そこにいたのか!」・・シロの徘徊している辺りにウサギは下って行き、その辺で足を停めていたのだ。
案の定、「シロ」の前方にウサギが飛び出して、一生懸命シロから逃げている。
一生懸命に追うが、全くウサギのスピードとは雲泥の差である。
体重差に他ならない。
それでもあきらめきれないシロは、しばらく足跡を嗅ぎながら追ってみるのだが、結局諦めた。
銃を持参すれば、巧く勢子となったのに・・・。
22日も午後1時まで用が有り、外には出れなかった。
用を済ませ、シロを連れ、再び裏山に出かけた。
今日は飛び道具を持参した。
昨日のような状況にならないとも限らない。
何日か続いた晴天は、雪を大いに腐らせている。
ザラメの雪で、「腐れ雪」とも言われている。
思い雪がカンジキの上に載り、幾分昨日よりは疲労を感じる。
雪の量が少なく、通上割れ目が形成される尾根筋でも、それは見られない。
昨晩、雪は凍り、ウサギが活動した直後の足跡は皆目解らないが、要は歩く事が目的なのだからと割り切る。
大きく小さなピークを取り囲むように周遊し、福田石材の工場に下った。
シロを大声で呼ぶが、全く反応は無い。
そのうちに帰ってくるだろうと、シロを一匹残し、アスファルトの道路に出た。
登った所から帰ってくるかも知れぬと、足跡などを注意して確認するが、未だ山から帰ってこないようだ。
家に帰り、銃を置き、車で福田石材の工場まで行くと、上からごそごそと申し訳なさそうにシロは下ってきた。
雪の汚れがシロの腹の下にたっぷり付着し、小汚くなって帰ってきた。