3月11日 中峯 時間5時間

駆除期間の最終日なので、今日は中峰に行く事にした。
昨晩は比較的暖かく、雪も凍っていなかった。
今日は、真剣に猟かの結果を出したかったので、シロは伴わない事にした。
猟場に着き歩き始めると、既に小雨がぱらつき始めていた。
中峰のグラウンド近くには、全く昨晩の足跡は見られず、最終日も団子に終わるのであろかと多少諦めムードが漂う。
尾根筋に向かう廃田に、シギが飛び立った。
シギは滅多にこちらでは見られない鳥であるが、今の時期たまに見ることができる。
 尾根を登り、両サイドの沢筋を眺めながら登るが、まるでウサギの気配は無い。
それでも30分ほど歩くと、ウサギの足跡が現われ始めた。
一旦沢筋まで下がり、確認するが、よく解らない。
エンジュが植栽されている所まで来る。
いつもなら、このエンジュの植栽地はウサギ達に皮を剥かれ寒そうになっているのだが、
今年は食害がされていない。
もしかすると、ウサギはあまりいないのかもしれない。
エンジュの植裁地から沢筋の方に向かっているウサギの足跡を発見、
回り込みながら,なるべくじっくりと寄せるつもりで歩く。
しかしながら、どうも足跡が明確ではない。
逆の斜面に目を向けると、なにやらランダムに足跡が付いている。
一瞬、目をそらした隙に、そのランダムな足跡近くに潜んでいたらしいウサギが飛び出してしまった。
上の小ピーク目掛けて足跡が続いているので、慎重に登って行く。
小ピークから足跡を確認すると、右の方向の沢の方に下っているのを確認。
同時に、左の尾根下の方向に割と鮮度の高い足跡を確認。
しかし、これもコンマ何秒の差で飛び出され、間に合わない。
「二兎を追うものは一兎をも得ず・・」と、自分をののしる。
ただ、この二兎目のウサギの方が可能性は高いと判断し、それを慎重に追ってみる。
案の定、沢の中に足を一瞬止めていた。
すかさず、一の矢、二の矢と放つが、最近はあまり実践経験が無く、失中。
しかし、なんとなく手応えを感じたので、進路を左下にとり、尾根から見えぬ位置から寄って行こうと試みる。
既に2時間近く経っているので少し疲れを感じ、登りの途中で一息入れる。
尾根に登りつめるが、先ほどの矢音で、そこら辺に止まっていたウサギも新しい逃げた足跡を残していた。
先ほどの矢を放ったウサギは、そのままさらに右の尾根に登り、そこから下った感じだ。
手応えがあった気がしたので、しばらく跡をつけてみることにした。
かなり急傾斜で、ウサギも危険を察知してか緩い斜面を通って逃げている。
なるべく、止まっていてくれと願いながら、跡を追い続けるが、どんどん逃げ足は速く先回りが難しい。
少し悔しいが、諦める事にした。
先ほど下ってきた斜面の裏側を良く見ると、昨晩の足跡らしい跡が見える。
その近辺を見ると、木の袂にウサギを確認。
遠い為に、全く矢は届かず、驚かせて跳ばせたに過ぎなかった。
しばらく跡を追って見る。
しかし、一旦矢を放った後のウサギは逃げ足も早く、かなり早く逃げて行った。
斜面の中に、ミニカールのような地形があり、そこにウサギの転鞍返し(カムフラージュ痕)を発見。
僅か20メートルの正面の、アズキナシの樹の袂に身を隠していた。
一の矢で落とし、その場で内臓処理する。
10メートルほど歩いたところで、さらに近くから今度は走りながら飛び出す。
早いので、4本の矢を使用。これも、その場で処理。
期待していなかったが、思いがけず2頭の捕獲を達成。
既に歩き始めてから、4時間近く経過しており、腹に少し入れることとする。
握り飯は雨でびっしょり濡れ、何とか形を保っているものの、とても食欲は湧かない。
1個だけ腹に収め、次の地形へと移動する。
烏川の源流へ小さな沢が下っているのだが、そこを真っ直ぐに足跡が下っている。
それをターゲットにしてみる事とする。
烏川の沢まできっちりと下り、上へと向かっている。
再びそれを登る。
足跡は下流へ下流へとヘツリながら続いている。
上から先回りをしようと、斜面を直登する。
登り切ったところで、カモシカが2頭居た。
1頭はすぐ逃げたが、もう1頭はしばらく目線を合わせたままで動かない。
一歩歩を進めると、さすがにビックリしたように慌てて逃げて行った。
この辺はカモシカのテリトリーらしい。
やはり、カモシカのテリトリーの近くにはウサギの留り痕は少ないようだ。
カモシカに煽られ、ウサギの進路が変わらなければ良いが・・と心配したが、やはりウサギは逆方向に逃げて行った。
慌てて、跡を追うが、追いかけられたウサギはさらに徹底的に逃げる。
正午近くになり、疲労は増してきており、体中は雨でびっしょり濡れ、
これ以上期待できないので引き上げる事にした。
そんな時に限って、また別のウサギが飛び出してきたり、心は動いたが下ることにした。
平らな道を20分も歩き、ようやく車に着いた。
気温が高かったこともあり、さほど寒くは無かったが、雨でずぶぬれ状態で冷えてしまった。
 この地区は、最近野兎が順調に増えてきていると感じた。
凸凹な地形が多く、なかなか渋い魅力的な猟場であると言える。

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2004年山歩き