2月23日 タチガラ岩
今期、スノーシューは6回目である。
いずれも数時間の軽い歩きである。
今日は、江戸川区の小学生と歩く日である。
昨日、彼等とスキーをしたばかりなので、覚えている顔も見える。
チーフレンジャーのSさんの説明に、一応は聞いている。
一応の説明の後、履くのだが、やはり個々に手伝ってやらないと上手く履けないようだ。
冬は、何も見れないという人が多い。
逆に冬だから見れるものも多い。
葉っぱの付いていない木、木の冬芽や花芽や全体像、動物の足跡、場合によっては動物も・・etc。
そしてなんと言ってもメインは雪であろう。
都会に住んでいる人にとっての雪は、まさに純白であり、軟らかく、そして美しい・・そう感じている。
子供たちにとっても、雪はやはり珍しく、純白でソフトな雪に童心をぶっつけている。
タチガラ岩は、ホテル大自然館の駐車場から見る事が出来る、素晴らしい景観の岩山である。
入広瀬のパンフなどにも、黒姫をバックにレイアウトされているロケーションでもある。
無雪期でも、直接近くまで近寄れる遊歩道はない。
旧営林署職員OBであったoさんが、近年有雪期のトレッキングコースとしてエコミュージアムの行事で歩き始めてから、人気のコースとなった。
標高はわりと低いながらも、ブナの大伐採をされていない箇所であり、大きな栃の木やブナの大木が今尚残されている場所でもある。
まともに歩けば、往復で小1時間もあれば行って来れるコースであるが、自然観察やら雪遊びをしながらの散策であるから、ゆうに2時間くらいは必要となる。
県道を少し歩くと、植林された杉林になり、そこを少し登ると尾根がある。
尾根には、残された大きなブナがある。
苔や、シダ類、ヤドリギなどが寄生し、長い年月を感じさせる。
杉林に入ると、前を行く班の子供達が、しきりに何かを見ている。
サブレンジャーのSさんがしきりに何かを説明しているようだ。
見ると、山鳥が何かに食われて、そこら中に毛が飛び散っている。
回りを見ると、獣の足跡は皆無で、猛禽に襲われた様である。
山鳥はもともと飛ぶのは得意ではない。
一気に数百メートル飛ぶが、その後又歩く。
基本的に歩く事が多い鳥でもある。草食で伽鞘な鳥でもあり、天敵も多い。
杉林を抜けると、一面のブナや栃の原生林がある。
蔦漆や、蔓紫陽花が絡まり、二次林にはない広がりのある空間が漂う。
ブナの表皮に生きる地衣類も、冬の雪解け水などが流れ常に潤沢に水分補給がされてるのか、色合いが一層美しく感じられる。
タチガラ岩は破間川に聳え立ち、私達を見おろしている。
岩と岩のつなぎ目の段差には、大きなツララがぶら下っている。
それはおそらく数メートル、3メートル以上もあるものもあった。
幾度も、それが解け、砕け、破間川に実を投じてきたのであろう。
子供たちは、とにかく『疲れた』とか、『暑い』とか、良く休む。
しかし、それは本当の疲れよりも、一種の飽きかもしれない。
雪をパクパク食べて『美味い美味い』と言っている。
手を伸ばせば水分を補給できる、純白の物体があるという事・・・また、逆にいえば、東京あたりの水道の水に較べれば雪の方が格段に美味いと言うことであろう。
彼等にもっと深く掘って、粗目の部分を食べるように言う。
表面は美しい様に見えるが、埃や、ゴミが多いのも周知の事である。
帰路の尾根からは、皆がお尻で滑り無事大自然館に到着した。