1月29日 狩猟(浅草山麓)

白崩旧橋 黒姫山塊


 朝除雪をしていると、良い天気になってきた。
特別今日中に終わらせなければならない除雪でもないので、出かける事にした。
しかしながら、まともな山歩きは約3ヵ月ぶりといってもよい。
体力に自信がないので、軽くカンジキトレックでもと思い準備を始める。
 浅草山荘の裏あたりからでも入るつもりでいたが、江戸川区の子供達が居れば狩猟どころではないので、ホテル大自然館あたりから歩き始める事にした。
ホテル大自然館は、ここ数年、冬季間閉鎖であるのだが、従業員が雪堀をしていた。
カンジキを付け歩き始めるが、予想通り雪は深い。
一歩歩くのに数秒要する。
ましてや1人ラッセル、数十歩毎に足を止める。
正面にはマニアな山塊黒姫が構えている。
これからまだまだ険悪な雪崩が何回も起きて、人が踏みいる季節を迎えるのであろう。
 昨シーズン年の狩猟は僅か鴨一羽のみ。ウサギ狩りには全く出なかった。
咋狩猟シーズン終了後、狩猟を引退しようと本気で考えた。
今シーズンに入り、鴨撃ちも全く行かず猟欲も失せていた。
今日も大して猟欲があるわけでもなかったが、昔のハングリーな気持ちを思い出したい気がした。

とにかくゆっくりと歩いた。
杉林の中からウサギが飛び出した。
少し跡を追うが、足跡は猛スピードで下った足跡となっているため、追っても無駄と判断し尾根を登る。
尾根筋には、見事なミズナラやブナの大木があり、荘厳とも言えるヤドリギを蓄えている。
ヤドリギは今まさに旬。見事なオレンジと黄色い実をたわわに実らせている。
ヒヨドリやカケスたちが喜んで食べているようだ。
鳥は他にはカラ類やマヒワ等も居たようだ。
尾根筋は風が強かったのであろうか、氷が解けシャーベット状になっていた。
歩きやすかったが尾根を過ぎると、下りでも息が上がるほどの深い雪となった。
ウサギの足跡は多少あったが、あまり条件は良くなかった。
しばらく平坦な所を徘徊するが、時間も押してきたのでコースを変え引き返しにかかる。
雪は重くなり、足も重くなってくる。
何しろ今日は初山だ。あまり無理はしてはいけない。
 遠く黒姫は西日に照らされ、立体感を表している。
雪山は静かだ。あらゆる音が雪に吸い込まれているのであろうか。

尾根を下り、無雪期の車道に出る。
さらに足は重くなり、細かく足を止め休み休み歩く。
あと20分も歩けば、車の所に着くので残りの握り飯を食べる事にしザックを降ろす。
握り飯を食べていると、どうも数10m向こうの樹の袂にウサギのようなものが見える。
荷物を整え、それに向かって歩き出すと、どうやらウサギに間違いなさそうである。
難なく捕獲。刃物を持参して居なかったので、そのまま内蔵を出さずザックに仕舞う。
 昨年はウサギ狩りに出なかったので、ほぼ2年ぶりのウサギの獲物である。
うれしさと同時に、自分にまだ猟欲があったのだと改めて知る。
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