2月18日ネズモチ平(820m付近)
猟期は15日で終了し、代わって今日から野兎のみ獲れる期間が少しある。
昨日の深雪で、泊まり痕は明確と思われ朝から準備した。
天気も良い事から少し遠くへ向かう事とし、ネズモチ平らに向かう計画とした。
いつものホテル大自然館の終点で車を停車し、カンジキを付ける。
歩き始めると殆どぬからない。
こんな感じなら相当楽が出来ると期待したが、数10mだけであった。
昨日は20cmくらいの降雪と思われたが、吹き溜まりなどは膝までたっぷりある。
しかしながら気温も低く、雪が軽く抵抗は少ないので、さほど足への負担は気にならない。
車道に沿って歩いて行くとウサギの泊まり痕があった。
ウサギは夜行性で、日中は木の袂などに潜んでいる。
明け方まで活動し、日中の泊まる場所を探すのであるが、適当な場所に目星を付けると特徴的な足跡を残す。
目標の樹の袂付近を一旦通り過ぎ、バックする。
ある程度バックし、目標の樹の袂に近づいたら、そこからまっすぐ目標の樹の穴にもぐりこむ。
これを幾度と繰り返す場合も多く、初心者の頃はウサギの知恵に随分もだまされた。
泊まり痕に、まっすぐ向かって行くともう既に抜けられていた。
気温が低いためか警戒心が強い。
途中で尾根に取り付くため、斜面を登っていると直径が1.5m以上もある大ミズナラの樹があった。
サルノコシカケを住まわせてはいるが、まだ生きている。
大木には神が宿るとされているが、本当に神々しい敬虔な気持ちに誰でもなるからであろう。
後ろ髪を惹かれるように、ミズナラの大木を何度も振り返り先を進む。
やがて742m付近に着いた。
この辺で昔、大巻き狩りをやった記憶がある。
今の体力とこの雪の状態では遠巻きは無理だ。
一坂登ると、エコミュージアムの広い平原が現れた。
野鳥観察小屋は見えるが、エコミュージアムの本館は雪に覆われているのか見えない。
避雷針のようなものがかろうじてこんもり盛り上がった所に見えている。
あれが本館であろう。
今はまだ一般人には無理かもしれないが、来月あたりからなら良いスノーシューコースになるに違いない。
ネズモチ平までのスノーシュートレックは、素晴らしいロケーションが楽しめる場所である。
エコミュージアムに近い凸凹の造林された山で野兎を二羽ほど獲る。
ここでスタートから3時間、そろそろ折り返しに掛かる時間である。
帰りは荷も重くなるし、足も雪も重くなる。
よって安全をみて、午後3時には車に着きたい、それが常識である。
帰りは白崩沢の右岸近くを下る事にした。
この辺は昨日は吹雪だったらしく、地形の具合により吹き溜まりが凄い。
このコースには殆ど野兎の足跡は見られなかった。
歩いていると、カモシカが2頭まったりと陽だまりで寝転んでいた。
「お寛ぎのところ済みませんが・・」と近寄り会話を試みるが、やはり彼らは逃げてしまった。
これが子供のカモシカなら、近寄ってくるほど好奇心旺盛なのだが・。
山スキーで早坂尾根から登るルートに乗った。
そこを下るとのっぺりとした平地に出る。
ホウノキの袂の野兎を捕獲し、白崩沢へと向かって下る。
白崩沢橋の近くまで来ると、ミズナラの細い樹の幹にとまっている鳥が気になった。
コゲラのような形だが模様が違う。
どうもゴジュウカラのようだった。
今までゴジュウカラは意識していなかったが、こちらでも見ることできると言う、
なにやら得した気分になった。
およそ6時間のトレックであった。