3月24日 田小屋〜守門岳  山スキー
 
芋鞘集落8:15 田小屋登山口付近8:50  1027.5m三角点10:30
藤平山10:55  小烏帽子11:55  守門岳12:50  藤平山13:30  芋鞘集落14:30

 旧入広瀬村 芋鞘集落神社の入り口の農道から入る。
田小屋登山口まではこの農道を歩いて行く。
適当に農道を横切り、守門岳田小屋登山口に着く。
本来は、夏道に沿い、大池の上を通り、854mピークを通過して歩くのが一般的である。
といっても、このルートは殆ど歩く人も滑る人も居ないのが現状である。
以前、このルートを用いて歩いた事があり、私個人的な見解の一般的ルートと言うことである。
今日はそのルートを用いず、右上1027.5m方向に伸びる北東の尾根を登って見る事にした。
滑走ラインとしての価値を見極めたいが為である。
 登り始めるが、斜度はたちまち30度くらいの斜面になり、おまけにアイスバーンになった。
800m手前で、シールとエッジの隙間があまり無かったのか滑り10mほど滑落してしまった。
最後まで落ちても怪我で済むが、もう一度の登り返しは厭だったので、途中のミズナラの枝にとっさに掴まり
滑落は10mで済んだ。
途中、必死にもがいて手で止めようとした為、左手肩の関節を痛めた。
もはやスキーで登るのは無理とあきらめ、緩斜面の尾根に取り付くまでスキーを担いで登る。
スキーではあれほどのアイスバーンでありながら、スキー靴だけで歩くと結構ぬかる部分もある。
ちょうど良い所で再びスキーを付ける。
下を見ると、熊の糞があった。
この間の高温続きのあたりで冬眠から覚めたのであろうか、いずれにしても足跡が無いので割と前の痕跡で有ろうと思う。
再び尾根はブッシュ交じりの急登となり、850m付近で再びスキーを担ぐ。
改めて、滑走には適さない尾根と知る。
950mを越すと、ブナの枝が矮生し、標高の高さ故、風の影響で異形となっている。
この辺の山塊は1000mを越えると、こういうブナの矮生枝が見られるようになり、標高の察知が付く。
 のっぺりとした1027.5mピークに着く。
ここで、改めて最初の予定通り、大池を捲いて夏道に沿ったコース取りをするべきであったと悔やむ。
少し下り、今度は藤平山へと登る。
1027.5mピークから藤平山への登りは、ブナの樹林帯でえびの尻尾などが有りロケーションは悪くない。
が、やはりここもブナの樹林帯が混んでおり、滑走ラインとしては難しい。
藤平山からは、少し下ったり登ったりと大きな凸凹の地形を繰り返す。
ほぼ夏道と同じルートを行くが、途中で1244mへと登りながら歩く。
山頂付近を見ると、黒いものが山頂を目指している。
おそらく、誰か山頂を目指しているのであろうか・・そう思う。
小烏帽子を過ぎ、やはりアイスバーンとなる。
山頂直下100mの位置で、スキーのシールを取り、テールから思い切り深く、風で飛ばされぬようスキーを突き刺す。
そこからはストックとスキー靴だけで山頂へと向かう。
山頂には誰も居なく、人間だった筈の影はない。
足跡らしきモノがあるので、良く見るとカモシカであった。
カモシカは恐怖心も無く、袴腰のナイフを越えて行ったようである。
風も強いので、早速折り返す事にした。
スキー置き場でスキーを付け、早速滑走開始。
スキー靴は登行のままの緩さであり、バックルを締めなおしていない状態である。
柔らかくて怖い・・が、めんどくさい。
相当格好悪い滑りだが、カモシカ一匹ギャラリーは居ない。
自分でも気持ち悪い滑りだなぁ〜と苦笑しつつ、どうでも良いかの如く滑っていく。
途中でしっかりスキー靴のバックルを締めなおす。
しかしながら、この柔な靴、いくら締めても足首は良く曲がる。
よって思いっきり前に体重を掛けれないし、バックルを最高に締め付けているので踵にも乗りやすい。
なるべく懐を深くとり、膝を締め付け、なるべく回し過ぎないように回す。
 藤平山でゆっくり食事を摂ったり、チュウハイを飲む。
あまり美味くないし、食欲もないし水も飲みたくない。
食事後、少し滑らないのでワックスを塗ってみる。
藤平山から夏道に沿って滑り、途中で逆L字型に北西に延びる尾根に取り付く。
そこから夏道目掛けて滑るが、超重悪雪。
ターンをすると雪崩が起きる。
バランスを崩し転倒。
転んだ方向へ雪球が転んでくるが、完全な雪崩状にはならないのが有難い。
沢をトラバースし、854mピークに向かう尾根に取り付く。
そこから九十九折の夏道に沿って滑るのであるが、ここもやはり雪の玉が発生している。
出来るだけ登山口方向へとヘツリながら一枚バーンを探す。
ヤマモミジの群生するあたりで、ようやく一枚バーンとなり、ワンターン毎に掛け声を掛けながら、切り替えを行う。
悪雪のため、掛け声を発しジャンプする必要があるからである。
あとはそのまま登山口までヘツリながら滑る。
同じ農道を辿り、車に着いた。

このルートは、以前入広瀬村主催の守門岳スキーツアーの正式ルートであった。
登りは、大原スキー場裏から登り(コースガイドのコーナーで有雪期守門岳ルートで紹介済み)、田小屋尾根のブナの原生林をベースとし、山頂参り希望者は山頂へ。
全員が揃うと、ここで記念撮影をしたものであった。
そこから藤平山へは、多少の登りはあるものの、古き良き時代のスキーツアーの味わいがあった。
ルート的には、今回のレポートとほぼ同一であるが、大池から南西に下る三角点631.2m尾根付近を通り、田小屋集落へと滑り降りるのが正規ルートである。
田小屋集落に着くと、参加者に虹鱒の塩焼きが振舞われたのである。
ロケーションも素晴らしいこのコース、今後も滑って行きたいコースである。

藤平山から守門岳
左1244mピーク付近・前方の伏せ丸皿は小烏帽子 守門岳直下より青雲岳・大岳
守門岳袴腰のナイフエッヂ シュプール

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