4月10日 黒姫

 早朝、4時に起き、4人分のオニギリ弁当を作る。
私も特に予定はないので、常連のYさん一行に同行させてもらう事にした。
本日Yさん達は、取り合えず時間が許す限り烏帽子を目指す計画としていた。
雪崩が気になったが昨晩の好天で、凍み渡りが出来るほど歩きやすい。
下黒姫沢を少し登ると、大でぶりがあるのだが、右岸からの雪崩でデブリもろとも流され、沢が塞がれていた。
雪崩の右側を通るが、左岸の急斜面も気になり、早く通り抜けたい心境になった。
この大雪塊は、3月の下旬のものであり、この8日9日の悪天候の雪ではない。
従って気分は良くなかったが、危険はないと判断し進む。
 そのまま進んでいくと、下黒姫沢右岸尾根からの表層雪崩が発生しており、険悪に下黒姫沢を塞いでいる。
これは昨日のものであるが、落ちる物は全て剥ぎ取られており、これ以上発生する場面はないと思われた。
表層雪崩の雪塊の手前を右に右折し、831mの上黒姫沢方面へと向かう。
831m付近手前から、雪は増した。
1030m平地手前では、土日の新雪が計60cmは越えた。
しかしながら、程よく締まっており、カンジキでの埋まりは10cmほどである。
1030mを目指していると、ゴジュウカラの声に励まされた。
 今回のYさん一行は、全員が鳥マニアである。
1030m付近から、いつもの通り右方向にへつりながら1280m付近鞍部を目指す。
鞍部新雪も深く、クレバスが怖いので、ゆっくり歩を進める。
およそ1330mピークに着くが、尾根が新雪と風で危険なエッヂに変貌していた。
ここではさすがに自分が恐怖を感じた。
CL、Yさんと相談し、ここで黒姫は撤退と決める。
勿論、それ以前に烏帽子山は無理と結論が出ていた。
 このピークで昼食とし、少し休憩し下る事にした。
雪は重くなり、足も重くなってくる。
ブナの原生林のなかには、ゴジュウカラをはじめ、アカゲラ、コゲラ、カケス、シジュウカラなどが居り、それぞれに楽しみながらゆっくり下山した。
 最初の、古い雪崩の箇所は、左岸からの雪崩の心配もあったので、右岸側雪崩痕の上を歩いた。
ようやくタモ平に着くと、本来は高山鳥のキクイタダキが歓迎してくれた。
杉の植林地は、最後はカケスとヤマドリが締めてくれた。
 Yさん一行にお礼を言い、現地解散となった。
茨城までの道のり、事故の無いよう祈った。

ムジナ沢橋5:35  林道終点6:05  発6:15  沢終点7:00  831m付近7:50  1020m平地9:00
稜線10:10  1330m撤退地点10:40  発11:05  900m付近12:00  ムジナ沢橋14:05

870m付近 鋭角的なエッヂの為、ここで撤退
守門袴腰 1040m付近下山途中
700m付近、下黒姫沢右岸1221m付近からの表層 650m付近の3月下旬の雪崩痕

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