9月14日 官民界伐採作業(夕沢から村杉沢左岸尾根へ)
五味沢を過ぎ夕沢橋を越えたゲート手前の、この間切り開いた藪道のコースから登る。
朝から暑く、息は上がり汗はどんどん出る。
尾根に取り付き鞍部より夕沢に向い藪を下っていく。途中の枯れた倒木にナラタケがびっしりと付いていた。
夕沢を渡渉し、夕沢右岸に取り付く。杉の民有林が混じる広い空間のある林に出る。
ここから夕沢右岸に沿い、山道があるのだとOさんは言う。その山道を使い、この間の官民界道まで行く。
官民界のコンクリート柱にペンキで目印しながら、怒涛の急登を登っていく。官民界道は、方向が変わる際にのみコンクリート柱が設置されている。それが枯葉に被っていたり、場合によっては雨などで流されたものもあり、まるで宝探しをするような感じだ。Oさんは、流石に営林署OBであることから、鉈の先で枯葉や木の根を探り、『ほらっ、あった』と得意げに見つける。
ある一定の箇所から、まるで鉈目が皆無となり、森林官がコンパスで角度を調べる。図面で角度を確認し、あとは距離を計測すればそこにコンクリート柱があるはずなのだ。
藪の中を観察すると、過去に切り取られた痕跡は全くないが木の樹種が周りと違うことに気づく。
陽性木本である、アブラチャンやリョウブなどがびっしりと密生している部分は、10年以上前に切られ、萌芽が更新したものと言える。
また、ニホンカモシカが獣道として用いている道は、過去に人間が道を付けた道であることが多い。
現在は鉈目は残っていないが、過去にはあった・・・、そこを先祖代々のカモシカが用いてきたのだ。
この日も、カモシカのトレースを追うと、そこにコンクリート柱が出現するというケースも見られた。
午後3時前に、村杉沢左岸尾根約1000m強の高さまで到達。通称、杉の沢の源頭部分に当たるらしい。
ここは、ムジナ沢左岸の尾根が見える場所だ。ムジナ沢左岸尾根は山スキーで村杉沢ガッチに至るルートで用いる尾根である。ここからまた下り、村杉沢と夫婦滝の沢を横断することになるが、この部分の距離が著しく長い。ここは、鉈目は皆無で木はほぼ100%伐採しなければならず、コンクリート柱を捜しながら約1`も歩くのはかなりの苦労を強いられると思われる。
午後2時50分に引き上げを開始。夕沢から、私だけ夕沢添いに下る道を行ってみることにした。
快適な道であったが、最後はススキ藪やヤマブドウ蔓が繁茂し、少し判断ミスもあったが難なく車道に出た。
10分度ゲート付近まで歩くと、ちょうどOさんが藪から出てきた。
あと2日ほどで、夕沢からムジナ沢左岸尾根まで官民界道の伐採が完了するであろうとOさんは言った。
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