2008年 1月10日狩猟

 所用を済ませ、9時半頃にシロを伴い家の裏からそのままカンジキで登る。
昨晩はおよそ10cm強の積雪であり、さほど埋まらないと予想したが、下雪が思いのほか埋まり実に歩きずらい。それに、年末年始に降った雪は数日の雨により解けており雪面の表面は凸凹となっている。
雨が降ると、雪面は一定の箇所に水が偏り、凹みができる。この凹み部分は得てしてぬかるのである。
さりとて、凹み部分を通過しなければ進めない。
五味沢へ向かう道路が見えるピークに着くと、正面には雲を被った浅草岳が見えた。
 車道側に進路をとり、ウサギの痕跡がないか見下ろした。向かって左側の尾根の斜面に比較的新しい足跡が見られた。このまま、うっかりシロをフリーにしておけば先回りされてウサギを逃がすことになると思い、シロのリードを握りながら足跡近くまで進行した。予想通り、ウサギの背後に回った形となり、難なく一頭目を捕獲。
処理を終え、左側の尾根斜面を見ると、どうもウサギのような塊が見える。生憎双眼鏡は持ってきておらず、目玉の黒い部分だけ確認しウサギであると断定し発砲。やや撃ち所が悪かったのか、ウサギは叫び声を揚げて斜面から転がり落ちていった。ウサギの転げ落ちた場所は小沢であり、左斜面から雪崩の出そうな場所であった。慎重に進みながら小沢のヒドの中に落下しているウサギを確認。しかし、未だ足以外は生きていた。残酷だが再びウサギを雪に放し、止め矢を射る。
かなり下方まで下ってしまい、登りに骨を折った。ザックにはウサギが二頭入っているので約6kgほど増えた。
何しろ雪の量が少ないので、歩くには苦労する。
 再びもとのピークに戻り、いつものコースを歩くこととする。雪が少ないため、雑木がまだ露出していてスムーズに歩けない。
 尾根筋に比較的新しい足跡を見る。前に進行した足跡と引き返してきた足跡が重複している。そして、よく観察すると途中でT字型に別の方向へ足跡が進んでいる。いわゆる足跡のマムフラージュで「てんくらがえし」と呼ばれる典型だ。いずれにせよ、ここら辺に潜んでいることに間違いはなさそうだ。一応銃は腰だめに構えていたのだが、ブッシュが混んでいる所で間に合わなかった。
気を取り直し、沢の向こうに杉の造林地があるのを確認。そこに夜中に活動したウサギの痕跡が見られた。
じっくりスギの幼木を見ると、袂に潜んでいるのを確認できた。これも保護色であまりはっきりとは断定できなかったが、ポイントはウサギの目の黒であった。流石の保護色のウサギでも、黒い目と耳の先の黒い色は明確である。ちなみに、飼いウサギの目は赤いがノウサギの目は黒い。
やや遠いと感じられたが、しっかり照星で狙い一発で捕獲。回収には小沢を越えるのだが、やはり雪が少ないので少し怖い気がする。
 その後杉の植林地の中を埋まりながら登っていくのであるが、二頭ほど逃げた跡が有り、昨年に較べると全般的にノウサギの数は増えている気がする。
 最後の猟場、福田石材の山伏岩の後ろの平地に着く。既に時間は午後1時を過ぎており、ミズナラの枝から沢山の新雪が落下し、ウサギの足跡はまったく解らない。しかし、だからこそなのか数頭のウサギが飛び出したのを確認する。
 シロは臭いをかぎつけたのか、私との距離を離し別の方向へと向かっていった。上手い具合に追ってくれればと銃を構える。やはりシロの嗅覚はある程度信頼できるようだ、予想通りシロの嗅いだ臭いは近くに潜んでいたウサギであった。ちょうど私の前を走り抜けようとしていたが、一発目は空振りで二発目で捕獲。
ここまでで四頭で、既に全部で10数キロになる。
重い雪と久々の歩きで、ふくらはぎが異常に痛い。とりあえず、未だ猟欲はあったので、福田石材の構内まで銃を構え続けた。
 車道を歩いていると、義介建設の方々が道路脇の斜面の雪を雪崩防止と言うことでで落としていた。
義介建設と言えば、入広瀬の猟友会長のいる企業であり、会員の数も多い。
「バカ重たげだねや」「うん、おもてぇ」とまんざらでもないやり取りをし帰路に着いた。


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