1月30日ウサギ狩り
朝から雪は降り出した。朝から早めに終日ウサギ狩りをしようかと思っていたのだが、この雪では足跡も消えているであろうし、いずれにせよ不利な状況ではある。
昨日のうちに除雪を終わらせていたので、気持ちは山へ向かっていた。しばらく様子を見ることしていたが、駄目元でとりあえずフィールドに出てみることにした。
シロの動向に気を使うのも飽きてきたので、今日は自分ひとりで行くことにした。
今日はコーヒーショップのフォレストさんの横から夏道に沿い上っていく。数日前の私たちのトレースは雪が深かったことからしっかり残っている。ちなみに今日の足はカンジキである。一昨日の好天で雪は大分沈んだと思われたので、カンジキで行く事にしたのだ。案の定、比較的ぬからずこの前のスノーシューより格段に楽な状況ではある。
うっすらとしたウサギの足跡が確認され、なるべく隠れるように近づいたつもりであったが、今日の雪は鳴く。ググッググッと踏み込んだときに音がするのだ。昔はこれをグツグツ雪と言った。スキー場では難しいキョロキョロ雪である。
ウサギの足跡に近づくと、とっくの前に飛び出した痕跡であった。こういう雪降りの日には、ウサギは警戒心が強く覚醒している場合が多い。常に動ける体制を取りつつ待避しているのだ。しばらく足跡を追ってみるが、かなり老獪なウサギ達で、杉の木を一周したりしてなかなか芸が細かい。
その場所よりさらに上へ登ると、足跡はなくなった・・と言うより、雪が多く降りまったくかけらも解らない。しばらく行くとまた新しい飛び出したばかりの足跡を確認する。これを追うが、このウサギがまた巧妙な手口で逃げ回っていた。
一旦下へ出、沢を歩き、さらにまた元に戻るルートをとっているのだ。一般にウサギはこういう逃げ方が多いのである。すなわち一旦敵からそのまま逃げるのであるが、進路を徐々に元に居た場所目掛けて逃げ回るのである。その昔一頭のウサギを意地でも追い掛け回すぞ!!と意気込んで追い掛け回していたら、結局同じ山を二周してしまったことがあった。よし!!それでは!。・・・と、今度は逆周りをすれば鉢合わせになるのではないかとやってみたが、今度はまるっきり別のコースへと逃げていったことがあった。この習性を利用し、複数でウサギを獲ったことが幾度かあった。
いずれにしても、単独猟ではこういったウサギが元に戻るコースを選択している場合は、深追いしても獲れる事はない。
今日はボーズかな?と半ば諦めかけていたが、運良く立ち止まっているウサギに遭遇しすぐさま矢を放つ。
一発目で落ちても不思議ではない確実な手応えであったが、致命的ではなかったらしく逃げ出した。
余裕で二の矢で落とせるであろうとトリガーを引くが、発射できない。『噛んだ!!』思わずうめく。
余っていた33gの装弾を使っていたため、威力の無さから自動装填されず装弾が薬室にいく前に痞えてしまうパターンとなってしまった。焦っても仕方ないので、一旦本体と銃身部を分離させ、手で振動を与え装弾を取り出した。
かなり手応えはあり、遠い所までは逃げる事は出来ぬであろうと思っていたが、以外に近くに居り捕獲できた。
処理を終えると、雪はさらに強くなり吸水性抜群の古い合羽はびしょ濡れとなった。この時点で既に猟欲は薄れ、ただしかし、銃だけは構えようと下った。
帰って午後から、一昨日のウサギと今日のウサギの皮剥ぎをした。
連れて行かなかったシロには肝臓を与えた。
次回は、2/2から連続で出猟予定。こういう山歩きは実にスリリングだ。山登りには無い心躍る歩きと言えよう。