2月2日ウサギ狩り

 今日は少し遅く起きてしまい、5時頃からの除雪作業であった。夜中は大して降らなかったが、それでも小1時間要した。
NHK連ドラ『ちりとてちん』を見て、父に『ぞうたんを回ってから雪堀に行く』と言い伝え家を出た。父も年のせいか大分足腰が弱ってきたようで、今日は大原の雪掘りをしようということになっていた。ぞうたん(当地区での通称地名)から、大原までは条件が良ければウサギ狩りをしながらでも、3〜4時間ほどで着く。したがって、昼飯前くらいには着く予定でいた。
 この間と同じく、コーヒーショップのフォレストから入山するが、カンジキで新雪に踏み入るといきなり戦意喪失した。
見栄を張るわけではないが、一応自称股下80cm。十分股下までぬかる。ここ数年間は、ワンランク小さめのカンジキを用いているから尚の事ぬかる。フォレストから入り数10m歩いたところで、ぞうたんなど回って行ける筈もない、と結論付けた。ここままいって、運良く3頭のウサギでも獲れれば、引き返してスキー場づたいに登って大原に行こうと思っていた。
 これだけ深過ぎるくらい深い新雪だと、かえって疲れない。一歩に掛かる時間は5秒にも及び、亀のような歩みだからである。逆に、斜面でない所でも呼吸は荒くなる。まして斜面になろうものならまさしくラッセルである。手で新雪を掻き分け、カンジキの収まる場所をとりあえず確保しなければならない。
 距離にして300mほどであろうか、それを2時間掛けてようやく小ピークに着いた。
昨晩はずっと雪が降り続いたはずで、足跡さえ解れば必ず近くに居ると思われた。小ピークから下方を見ると、T字形に分岐したウサギの痕跡が見られた。これは典型的な『テンクラガエシ』のパターンである。細かい居場所を確定するために、最終的なウサギの足跡を確認する。おそらくこの辺であろうと言う場所の背中側に回るが、ウサギは飛び出してこない。ならばと、『おい!』と叫んでみる。やはりウサギは居て、走り出した。集中力は休憩した後なので十分あり、一矢目で完璧に捕獲。
処理を終え、別の場所へ移動。この移動にも時間が掛かり、気力は萎えてくる。
別の場所で、ウサギが泊まり場所から飛び出したばかりの足跡が見られた。先ほどの銃声で飛び出したようである。気温が高く天候が良ければ、さほど警戒心のないウサギ達なのであるが未だ気温が低く、雪も止んだばかりであり覚醒しているのであろう。
別の場所を下りながら帰ろうと、下りルートに向かい始めた頃、左手にウサギの走る気配を察知し、一矢。
再び余っていた威力減の装弾を用いたため、1発づつ装填していたので、狙点を合わせる作業がアバウトになっているなぁ・・・と自覚しながら二発三発の発射。『アバウトながら、散弾だから、多少なりともダメージがあるのではないか?』といういつもの甘い考えのもとの失中である。ウサギを見失った地点まで行くと、やはり殆どウサギには当たっていなかったようで、足跡が確認できないほど遠くまで疾走していったようだ。
こういう失敗は本当に悔しいし、自信喪失する。先ほどのテンクラガエシを見極め、一発で捕獲した自信さえも希薄になってくる。
すでに、足の疲労もピークになってきているし、これから大原に行き除雪作業も待っている。多少の望みもないわけではなく、少しコースを変えながら下り始める。
登る途中で、居そうな場所をピックアップしており、そこを通ったのだが、どうやら夜は夜でも早い時間帯の活動であったらしく、居なかった。
 車道に居り、スキー場のゲレンデを歩き大原に着いた。
既に1時半を回り、残った昼飯を食い屋根に上がる。1時間半ほど作業し、親父が止めようと言うので、作業をやめる。
3時近かったが、一の沢沿いに下ることにした。スキー場の従業員がウサギ狩りをしていたらしく、あまり期待していなかったがやはり既に追われた後であり、姿さえも見ることはなく、ひたすら苦行の下りとなった。ゲレンデを歩けばものの20分もあれば、スキー場のロッジに着く所、2時間近く掛かった。スキー場の従業員のカンジキの跡を辿るが、それでもぬかってしまう。スキー場従業員のカンジキは、1ランク上のサイズのようだ。それに体重でも私より20kは軽い人であるから、カンジキのあとでもぬかってしまう。
ロッジに着くと、足腰は重く疲労し、ウサギ一匹のための1日として実にしょっぱい日となってしまった。
流石にこういう日用に、大きめのカンジキを用意する必要性を大いに感じた日であった。
トップへ
2008年山歩き