2月4日ウサギ狩り
朝所用を足し、9時頃シロと車で出掛けた。
本日の猟場は、入広瀬の寿和温泉から旧守門村東の名に続く道路沿いの山とした。所々待避所として広く除雪がしてあり、そこに車を停めた。
いつもながらシロは伴いたくなかったが、出かける寸前に雪の上に上がってしきりに吠え立てており、連れ出さざるを得なかった。特に今日は地元の猟場ではなく、旧入広瀬村と旧守門村の境辺りが猟場であったため、特にシロは連れて行きたくなかった。
相も変わらず、常に先へ出たがるし、ハーハーといちいちうるさい。人間と違って汗で体温調整が出来ない分、呼吸は荒くなるのでろうが、とにかく気になる。家族の者が、率先して毎日シロでも連れ出して散歩させてやればよいのだが、父母とも足が痛んだり色々と不具合が多い。妻は、極稀に散歩する程度であり、私がシロのストレス解消係である。
一昨日に較べると、随分とぬからず歩き易いが雪が重くて二度ぬかりする感じだ。結局ヒョイヒョイとは進めぬ速さである。
この猟場は、以前1回だけ歩いたことがあるが、随分前のことである。猟ではなく、エコミュージアム主催のスノーシュー講座の引率で、2回ほど歩いたこともあった。いずれにしても地形が良く解らない。どんどん登れば、入広瀬のハーブ香園に行くはずであり、さらその上は五輪峠である。明瞭な尾根もないが、迷うことも無いと思われた。
今日に限って、ウサギの足跡は殆ど見られない。いかにも居そうもない、オニグルミ林の大きな木ばかりであり、足跡も古いものばかりだ。
高度を上げて行くと、昨晩らしい足跡が多々見られ、期待は高まった。尾根筋に付くと、ハーブ香園の休憩所のような構造物が見え、一段上には五輪峠のアンテナが見えた。その尾根筋を歩いていると、シロは幾分私より下方を歩き始めていた。おそらくそのせいか、或いはそれ以前に飛び出したものなのかは解らないが、いずれにせよたった今飛び出した痕であった。
尾根の裏方面に移動し、あれこれ独り言を言ったりシロを諭したりしているうちに、また別のウサギが飛び出したようだ。この時点で既に猟欲は薄れ、早く帰って酒でも飲みたい心境になっていた。
少し場所を変えるが、あまり新しそうな足跡は見られない。だが、比較的新しそうな足跡がウリハダカエデの根元近くを通過している。ここに居ないとも限らない・・と言うことで、軽く『おい』と掛け声をかける。さらのその足跡はウリハダカエデの根元を通り過ぎ、横に絡みながら下方へと向かっている。最終的にその足跡を確認すると、どうも昨晩のものではなく、一昨日のもののようであった。
だがどうだ、居そうだが多分居ないであろうと検討付け、掛け声だけで通過したウリハダカエデの根元から、なんと新しい足跡が付いているではないか。悔しいのは悔しいが、詰めの甘さに呆れるのみであった。
この時点で、やる気は失せていたが、一応外回りをしながら帰ることにした。
下方がある程度眺めれる場所に着くと、30mほど向こうの木の袂にシロのような生き物が見える。シロはシロと言えども白くはなく、雪の上では茶色っぽい白であるが、まさにそんな感じだ。ウサギにしてはちょっと大きめなので、一応双眼鏡で確認した。紛れもないウサギであった。ちょっと遠いように感じられたが、しっかり狙い捕獲できた。
この一頭の捕獲で、多少気分も晴れ足の疲れも薄らいできた。だが、標高が下がるに連れ、雪は粘り重くカンジキに絡みつく。
下方にはようやく車道が見えてきた。うっすらと比較的新めのウサギの足跡があったが、こんなだだっ広い胡桃林に居ようなどとは思ってもいなかった。だが、70m先の土手のような所を二頭のウサギが追っかけっこをするような感じで、逃げ出していた。幸い一頭が足を停めた。70mの距離では無理であろうと思われたが、このまま近づけばいずれにしても逃げられてしまうと思い、しっかり狙い二発撃った。予想通り遠過ぎて掠りもしなかったようで、ウサギは揚々と逃げていってしまった。とりあえず、いつもの事ながらどこに逃げたのか確認するためにウサギの姿が消えたところまで行くことにした。
ウサギが逃げた場所近くのヒドを見ると、なんと一頭のウサギが戻ってきたのかじっとしているのが確信された。一網打尽とはこういうことを言うのであろう、イタダキ!確信し引き金を引いたが、『カチッ!!』何をどうしてどうなったのか?発射できない。ばたばたしている間にさっさとウサギは難を逃れてしまった。装弾を一旦抜いてみると、4発入っていた。殻薬莢はなかったようだが、何かの拍子でうっかり三発装填してしまい噛んでしまったのであろうか、ただしかし三発以上入る機構にはなっていないはず。
?????首をかしげながら、これこそ真の、全うな、典型的な、『断腸の思い』ってやつなんだろうと、目をテンにしながら車道まで歩いた。
一頭獲れたことを喜べが良いのだが、自分のネガティブな感情で捕獲できなかったと集約できるであろう。また、猟犬ではない犬を猟場に連れて行っても、偶然勢子的な動きをし捕獲できたこともあるが、1人で行くほうが捕獲の確率は高いということを改めて確認できた。最後の二頭のウサギは、私とシロが並列して歩いてきたを察知したのだと思う。私のカンジキの後を辿ってくるのではなく、並列という体形は気配が二つ、と感じ取るのではないであろうか。
今日のいわゆるカムフラージュ痕『テンクラガエシ』は明瞭ではなかった。昨晩は数cmのみの積雪であり、昨晩と一昨晩の足跡が混在しており、一昨晩の足跡に翻弄されてしまった。最初の閃き、これが功を奏する場合が多いようである。
それと気になる点がもう1点。ウサギのサイズが大きい。もしかすると大白川のウサギと入広瀬以南のウサギは種が違うのかも知れないと今日思った。
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