3月2日 ウサギ狩り

 昨晩は久々に遅くまで仕事があった。
朝は5時に目が醒めた。習慣なのであろうか、特定の時間になると睡眠時間に係わらず目が醒める。
天気予報を確認すると、日中は晴れるようだ。朝飯を食い、未だ降り続いている雪の様子をしばらく見る事にした。
 やがて雪の降り方もやさしくなり、体調もいまひとつであったが、残り少ない猟日なので出てみることにした。
シロを伴うことはハンデとなるが、ちょっと遠出を考えていたので連れて行く。
大原スキー場から入り、家のまん前を下る行程を考えていたので、歩いていく。月が変わったせいなのか、大原スキー場は普段の日曜日と違い人はまばらであった。
 スキー場駐車場から守門川を渡渉する。昔は当たり前に渡渉できたのであるが、今では今年でさえやっと渡れる程度となっている。
 今日の猟行程は、守門川の林道沿いに入り、エラオトシ沢の左岸斜面あたりまで行く予定としていた。
今季初の歩き易いぬからない雪である。しかし体調も悪く、慣れるまでは息切れした。
今日の猟場は、ある理由からここ10年近く入っていない。期待していたが、逆にテンやタヌキの足跡も目立つ。狩猟圧が軽減され、テンが増えているのであろうか。
大きな岩山をへつるのだが、これが歩き難く厭な箇所でもある。
サワグルミの梢には、逆さになって何かを啄ばんでいるアオゲラがいた。自分自身が空気のような存在になってしまったのか、私に気づいていないのか近くに行っても逃げることはない。
 守門川の右岸方向の尾根を見ると、家族であろうか三頭のニホンカモシカが上祝沢近くを登っている所であった。普通、ニホンカモシカの親子は母子で居ることが多いのだそうだが、たまに父カモシカも同行動することがあるらしい。
 ここで盛んに猟をしていた頃は、今から10年ほど前である。杉も大きくなり、そのほかの雑木やブナも成長し、状況は多少変わってきているようだ。特に杉が育ち、ウサギが居たとしてもなかなか捕獲できない混んだ杉林のスペースとなってしまっている。こういう、場所では単独猟は難しい。尾根の下が杉林の大きな地形がある場合は、下から勢子がウサギを追い、尾根の射手が撃つのが効率的であろう。
 一番上の尾根に着き、エラオトシ沢の斜面側を見ると、テンクラガエシ(ウサギのカムフラージュ痕)が見える。足跡に近いところまで行ってみたが、足音に気づき先走りしたようであった。諦め、再び尾根に取り付こうと登り始めると、杉の袂に向かって足跡が消えている。場所を特定しようと視線を動かした隙に、ウサギは飛び出した。続けて三発撃ち、どこか当たったようだった。僅かながらも血痕が認められ、しばらくウサギの足跡を追う。
 先ほどの発砲で、近くのウサギが皆飛び出し、一時足を停めた。落ち着けば回収できたであろうが、何故か淡々と狙い発砲してしまい失中。確認すると雪面の着弾のパターンが10cmほど下であった。
一方、半矢のウサギをしばらく追いまわしたが、致命傷は負っていなかったようで逃げる速度は緩まない。諦めることにした。諦め時というものがあるのであろうか、いくらも歩かない所でテンクラガエシを見つけ、『必中』で捕獲。咄嗟だったが、必ず『獲る』という気合勝ちだった。当たり前のことだが、射撃技術を超えたところでの集中力や気合は特に猟では必要とされる。
処理後の内臓をシロが食いだした。丸い糞が詰まっているソーセージ状の腸をうどんを啜るように食っている。
全く気持ち悪いやつだ。
 なんとか複数を・・今度は別の猟場を巡る事にした。それくらい今日の歩きは楽である。今期の今までの猟では本当に積雪が多く移動が困難であった。
 来た行程をしばらく戻り、サッパタ沢方面へと向かう。
スキー場の場内アナウンスが頻繁に聞こえ、何かのトラブルが発生しているらしい。『・・・なので、今しばらくお待ちください』というような内容であったので、リフトが止まったのであろうと察した。トラブルでリフトが止まっていたが、音楽だけは流れていた。
 サッパタ沢を越え、登り始めると留まっているウサギを発見し、三発も使い捕獲。今日の射撃はどうも調子が今ひとつなようだ。
途中、カモシカに追われたウサギが二頭も横切ったが、いずれも間に合わず。カモシカは逆にシロに感づいたからなんであろうか。
 今期何回も訪れている、福田石材の山伏岩の裏側に着く。いつもコースを逆に歩き、帰路に着いた。
トップへ
2008年山歩きへ