3月8日 狩猟
昨日で個人的に狩猟今期最終日と決めていたが、夜半過ぎの雪で心が動いた。
朝、早めに雑用などを行い、シロと出かけた。
今日と明日で野兎駆除も終わり、熊狩りを除けば銃を背負いフィールドに出ることはない。猟魂を鎮めるために獲物度外視で出たかった。
今日の猟場は、近いところである。登り始めて僅か30分で、ウサギの足跡を見る。足跡は他に抜けておらず、窪地近くにいると断定できた。しかし、居場所が予想に反しやや上であった。一瞬横切るウサギを確認しただけで発砲には至らなかった。
居場所が確定したら、何処にウサギを逃げさせるかを考慮し寄って行かなければならない。逆に言えば、撃ちやすい場所に寄っていかないといけないということである。ミスと言えばミスだが、この程度のことは無意識にしなければならない。
広い田んぼの上を延々と歩きながら、そのヘリ近くの足跡を確認しながら歩く。
沢筋に居そうだったが、先ほどのミスを心に引っ張っていて、沢筋に下りてしまった。本来、ウサギが沢のヘリ近くの斜面にいる場合は、上部を歩き沢底近くを眺めながら歩くべきところだ。
数日振りのフィールド歩きのシロは、盛んに私より先を歩きたがり、それが気になっていらいらしていた。
殆ど、距離が違わない箇所から二頭のウサギが逃げ出した。普通に行けば、二頭は銃声音で獲れぬが一頭は厭でも獲れた筈である。
後で逃げたウサギは、150mほど先に足跡をつけているが、上部は雪崩れているため上へは抜けていないと思われた。。シロのリードを持ち、気配を気づかれないよう足跡の近くまで寄った。その瞬間に白い平地の上にウサギは走り出した。一発目で当たったが、致命的でないため雪庇の割れ目に入った。雪崩れたゴーロ状の雪塊を横切り後方から近寄る。既に走れなくなっていたが再びウサギは割れ目から出てきて、杉の袂に隠れた。回収不可か?。木の袂はとてつもなく深く地面にまで達しているものもあり、横に広がっているものすらある。得てして回収不可能になるケースが多い。生憎スコップは持ってきていないし、シロにでも掘ってもらおうと呼びつけた。『この木の袂に居るんだぞ』と諭すが、シロは逆方向に向かってウサギの臭いを嗅いでいる。
呆れながら再び穴を教えた。かなり潜るものと思っていたが、手を伸ばせば届く位置に隠れていたようだ。未だ生きていたが、シロが噛み付き事切れた。シロは自分が獲ったものと勘違いして、独り占めに掛かったが、肝を与えて納得してもらった。
とりあえず、猟かはあったので、別の場所へと移動することにした。
真っ直ぐなブナの間伐林にはまったくウサギの足跡はなかった。ブナの間伐林は,日当たりも悪いらしく、冷え冷えとしていた。ウサギが日中をやり過ごす、シェルター状の斜めになった木はほとんど見られない。おまけにこういう林は気温が低いのであろう。ウサギの皮は薄く、皮膚も薄い。寒さに震えながら眠ることは出来ない。
雪が何日も続く日には、殆ど睡眠などとる事は出来ないのであろう。ウサギとて、暖かいところ、日光の当たりやすい所を好むはずなのだ。
このウサギの気配もない箇所を通過しながら、心には既に諦めの気持ちが巣食っているのを感じていた。
友人の平井氏の家を眺めていると、新しいウサギの抜けた後が見えた。最初に回った時に飛び出したものであろうか。
ここの所の失敗続きは何なんであろうかと後で考えてみた。色々と作戦の失敗やシロを伴うなどの軽率さもあるが、根本的は何か別の最も基本的な間違いがあるのではないかと・・・。。
*足跡の観察不足 *コースを歩くことをメインに考えている *シロを伴うこと *射撃技術
@単独猟では、やはり足跡で確実に居場所を特定することが大事なことである。ある程度遠くの足跡は 双眼鏡で小まめに観察することが肝要。
A予めコースを決め歩くため、離れた場所のウサギの足跡に構わないで先へ進んでしまう。コースを決めるよ りも、足跡に沿い歩く事がすなわちコースとなりえる。
B猟犬でもないシロを伴うことは、遊び感覚トレッキング感覚である。
Cポカが多いと、射撃にも自信が持てなくなってしまう。しっかりとした肩付けを心しないといけない。
今期は、良く猟に出た。鴨猟は雪が早かったのであまり出来なかったが、ウサギ狩りは今までになく出る機会に恵まれた。ここ何年かは殆ど単独猟だが、今期は1回獲物無しがあったが後は殆ど猟かはあった。
これは、ウサギのカムフラージュ痕をある程度特定できるようになってきたという点にある。また、夜に雪が降った次の日を特に選んで出るようにしていたのも好結果の原因でもあろう。ウサギの居場所も推察できるようになった点も大きい。
トータル的な面では、自分自身レベルはアップしていると思うが、一方射撃のタイミングや早さは今後劣ってくるであろう。そのためにも、バットの素振りならぬ、据銃や肩付けなどの繰り返し練習も必要。
また、集中力を必要としないところではリラックスし、ウサギの足跡がある所では常に集中してネガティブな口癖をやめることも基本であろうか。
ひたすら今期は今のところ、狩猟山行きの分が多くなった。ウサギ狩りも今期は今日で終了。
これから本格的な山スキーや・登山・スノーシュートレッキングなどのレポートを公開したい。
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