八十里越え
1/25000図「光明山」「守門岳」「只見」図参照
 一般に八十里越え道と呼ばれているのは、新潟県三条市(旧下田村吉ヶ平)から福島県只見町入叶津までの、全長30km弱の山道のコースを指す。本コースガイドは吉ヶ平を起点としたルートを紹介していく。
 吉ヶ平まで車で乗り入れると、かつての学校だった建物がある。現在は、無人山小屋として使われているようであり、ここがスタート地点となる。
 平成21年にこの校門前から守門岳への網張経由の登山道が作られた。間違ってここに入らぬよう、そのまま真っ直ぐ歩き、守門川を渡る。この辺は吉ヶ平の旧部落跡のようで、ブロックの基礎や庚申塔などが未だ残っている。狭い車道を500mほど歩くと平らな地形となり、旧墓地がある。ここで車道は終わり、山道となる。
 緩い坂を上ると雨生池の分岐(番屋山登山口方面)への分岐となる。鬱蒼とした杉の大木林が続く。後に大木杉は終了し、代わって植林して未だ10年程の若い杉の植林地があり、その間を縫うように山道は登りとなる。その後は、番屋山の裾をへつる形で山道は続き、番屋山から途中尾根は途切れているが、南西方向に伸びる大滝沢右岸尾根の鞍部に着く。ここが椿尾根であり、大きな石で作られた道標が埋め込んである。歩き始めから椿尾根までは約1時間強から1時間半である。

 椿尾根からしばらくは気持ちの良いへつり道となる。その後、幾つかの崩壊地がありそこは高捲き部となっている。ロープが張られてあるが、自分狭い箇所もあるので、初心者の通過には十分注意が必要と思われる。
 途中、大きな杉の木があるところがあり、祠などが祭られている。
 北方向から派生する928尾根と、北東方からの尾根801のほぼ交差地点が番屋乗越しである。ここも勿論道標と標高が印されている。
 番屋乗越から眺望が良くなり、川内山塊の名手粟ヶ岳を筆頭に矢筈岳、青里岳を望むことができる。またロックフィルダムの大谷ダムや新国道も見ることができる。
 左手の山塊や景色を眺めながら進むと、前方に目指す鞍掛峠や浅草岳が見えてくる。また、烏帽子山や守門岳袴腰も時折見えてくる。
 火薬後と記された道標を越えると、やがて山道は下りに入る。765付近はブナの原生林で素晴らしいロケーションである。ただ、空間が広いので道が不明瞭となり、若干の注意は必要である。
 そこを過ぎると一つ目の沢を渡渉するが、これは小さい沢でブナ沢ではない。次の沢がブナ沢である。石を踏み越えるため滑らないよう注意する。ブナ沢を渡ってすぐのところに木で作られた「ブナ沢」と言う道標が立っている。ブナ沢を過ぎると、道が左右に分かれるようになっているが、どちらを通っても通過できる。以前は上を高捲きしていたが、最近は下道もそのまま行ける様手が加えられており問題はない。一足で高清水沢となる。
 高清水沢を過ぎ、少し行くと丸倉分岐となり、そこを小1時間も歩けば、現在工事中の車道に出る。エスケープルートとしても使えよう。
 丸倉分岐を過ぎると、右上に巨大な岩の山が見えてくる。烏帽子山の一角烏帽子の鼻である。この下を縫うように少しづつ高度を上げ、「桜の窟」「殿様清水」などの道標を越え歩を進める。
 烏帽子山から鞍掛峠へ続く尾根の下を飽きるほど歩くと、やがて一気に急となり、いきなり鞍掛峠に飛び出る。

鞍掛峠からしばらくは、綺麗に整備された平らな道となる。右手には大きく黒姫の全容が見え、奥には鋭角的な守門岳袴腰が覗く。ガレ場の部分には、時期になるとヒメサユリの群生が見られ、よいスポットとなる。
 やがて前方に、湿地帯が見えるが、田代平である。さしたる広さはないが、木道も古いながらも施設され、草原のヌマガヤの中にはトキソウやコバギボウシなどの花を楽しむことが出来る。ミズバショウも多く群生するが、八十里を歩く時期にはすでに終了済となる。ミズバショウ鑑賞の場合は、5月下旬から6月初旬の時期が望ましい。
 田代平を離れると数100mの車道歩きとなり、再び山道となり本来の八十里越えの木の根峠を目指す。途中車道からのショートカットコースや本道が入り組んでいて解り難い箇所もあるが、どこを歩いても元の道に戻る。
 木の根峠は、県境線の尾根の鞍部にあり、石の道標と古道入り口と書かれた角柱もある。(古道については、ここでは触れないが、当サイトの山塊別山行き記録の中に八十里古道のレポートがあるので参考にしていただきたい)

 木の根峠から福島県となる。起伏のある新潟県側と違い、ここからは基本的に下りである。同じ地形が続き、景色はあまり期待できない。時折沢をへつる箇所があり、足元が滑りやすい部分もあるので初心者の同行には気を配る必要があろう。
 木の根峠からしばらくいくと、一転見晴らしが良くなる。松ヶ崎と言う道標があり、祠が奉られている。
 松ヶ崎から先は、再び特徴のない地形となり、泥濘の多い部分がある。小1時間ほど歩くと小さい草が生い茂った沼があるが、化け物谷地と言われているようだ。ここまで来ると、大麻平まであと1時間ほどで着く事になる。
 ナメ沢があり、そこを過ぎると二箇所の崩壊によって作られた捲き道がある。
九十九折を下ると車道が見えてくる。車道まで車の乗り入れが可能な場合もあるが、特定の場合に限られる。ここから通常の一般道まで行くためには+1時間の歩行が必要となる。
下は一般的なコースタイムである。

吉ヶ平(0:10)雨が池分岐(0:50)椿尾根(0:45)山ノ神(0:20)番屋峠(0:35)火薬跡
(0:30)ブナ沢(0:25)高清水沢(0:15)丸倉分岐(0:10)桜の窟(0:15)殿様清水(0:40)鞍掛峠(0:25)
小松横手(0:20)田代平(0:25)木の根峠(0:40)松ヶ崎(0:55)化け物谷地(1:00)大麻平(1:00)浅草岳入叶津口

登山コースガイドへ戻る