5月18日 毛猛山塊檜岳
2001年のメインイベントといってもいい山行きだ。
相棒の平井氏は、若かりし頃、アルプスにのめりこみ単独テント泊を常に行っていたというツワモノだ。
しかし、最近の彼は全く用具にこだわらない。
ほころびかけたザックと、膝まである長靴だけでひょいと出かける。
彼に言わせると「普段着で山に行くことがステイタスだ」とはばからない。
自分は一応、念のため、金カンジキを用意した。
末沢発電所を過ぎて400メートルから500メートル進むと、茂尻橋がある。
茂尻橋を過ぎて直ぐ、バリケードがあった。
最初、そこに車を停車させ歩き出すが、途中で思い直しバリケードを外して奥に入ることにした。
バリケードを再度設置しなおし、足沢入り口まで入る。
足沢入り口の山道は、知っている人でなければ判定できない。
山道を入って直ぐ、急登となる。
かなり暗く、足元がやっとわかる程度である。
急登を一段落すると、尾根道に出る。足型もないので、ここからも楽とは言えない。
少し平になり、ほっとする。
また少し登って行くと、雪渓が現れる。
ここで小休止することにする。
朝飯抜きなので、ここで軽く胃袋に収めることにした。
胃袋に収めたあとは、出さなければならない。
用を足したりして、また出発。
所々、山道が露出していたり、して居なかったりしているので、目印をしながら登る。
やがて、足沢山の稜線の末端に到着。
ウゴツクバネウツギやレンゲツツジがある。
正面に足沢山がそびえ、更に左奥には太郎助山が威風堂々と我々を待っているような気がしてくる。
自分はこのルートは5回以上は歩いているので、およそ感じは解かるが、平井氏は全くの初めてなので、注意するところなどを一応説明しておく。
1 2個所、痩せ尾根があるからだ。
平井氏は、この地点辺りから、調子が出てきたと見え、どんどん先を歩く。
自分は、平井氏のペースには最初から付いていくつもりもないので、マイペースで登る事とする。
この尾根は長く、辛抱が必要な尾根筋のぼりである。
足沢をスタートしてから、2時間強で足沢山を少し下った所に到着。
太郎助山は直ぐそこのような気がするが、ここからが意外と時間が掛かるのである。
なぜならば、ここからが本番の道なき道、或いは残雪と藪こぎの世界となるのだ。
昨年、単独で太郎助山まで行った思いをすれば、今日は相棒も居るし、なんと心強いことか。
足沢山から太郎助山までの間は、残雪歩きがメインではあるが、距離的にいうと約5割は藪であろう。
残雪を歩いたり、藪に潜ったりと楽ではない。
太郎助山の頂上に近くなってくると、更に藪はひどくなり、特にアズマシャクナゲが執拗に絡みつく。
このアズマシャクナゲは、花としては一級品なのだが、藪こぎとしては大変な樹木でもある。
山頂が直ぐそこになると、木も低木となり、木のない所にはキクザキイチゲがあったり、コバイケイソウがあったりする。
太郎助山には三角点がある。
今日の予定は、一応、檜岳が目標だが、6時間歩いたら引き返そうという計画であった。
太郎助山の時点で、4時間を経過していたが、太郎助山から百字が岳の雪の付き具合は、なかなか良さそうであったので百字に向けて出発する。
太郎助山から、百字が岳までは1時間も掛からず到着。
檜岳までの稜線は、太郎助山から百字が岳までの稜線よりも雪はなかったが、時間もだいぶあるので向かう。
最初は良いペースで雪も有るので、ラクチンな雪渓歩きであったが、そのうち雪が途絶え、アズマシャクナゲ畑へ突入。
それも急登であるので、檜沢に滑落しないように少し用心する。
足が絡みついたりして、なかなか前に進めない。
そこを抜けると、へつり風になり、左斜面に滑落すれば、死ぬことはないが、かなりの汗を絞られそうであるので、用心してへつる。
百字が岳から2時間半でようやく、待望の檜岳にいたることが出来た。
帰りのことも心配なので、あまりゆっくりと景色を眺めることも出来ず、写真を一人づつとって引き返すことにした。
やはり、アズマシャクナゲはピンクの色で、檜岳山頂を彩っていた。
来た道を引き返し、百字が岳に着いた。
あとはゆっくりと楽しみながら下った。
朝3時起床。
平井氏宅3時30分発。
足沢入り口4時00分発〜足沢山6時05分着〜太郎助山8時25分着〜百字が岳8時52分着〜檜岳10時20分着 檜岳10時45分発〜百字が岳12時15分着
百字が岳12時30分発〜太郎助山13時00分着 太郎助山13時15分発〜足沢山14時55分着
足沢山15時05分発〜足沢口17時00分着。休憩時間は正味1時間30分。全行程13時間であった。
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