下黒姫沢〜駒の神(14.3.26単独)
「今度、行こうや」と、数日前に音松荘のご主人に誘われていた。
自分は、今日、知人と守門に行こうと思っていたが、知人の都合で1人となった。
音松荘に電話してみたら、既にお客さん1名と出発したという。
行き先は黒姫ということであった。
朝の7時ごろ出発したらしいので、これから、追いつくのは難しいと思い、ゆっくり出発する。
ムジナ沢橋を渡ると、音松荘のご主人の車と、お客さんの車らしいのが停車してあった。
縦列して停車させる。
最初からシールを装着し、黒姫橋を渡る。
はやり、この辺は雪が少ない。
だらだらと黒姫林道をゆっくり歩く。
小沢にはミソサザイが鳴いている。
黒姫造林地を過ぎると、下黒姫沢沿いにへつっていく。
スキーで下れる所まで来たら、あとは沢の中をどんどん詰めて行く。
雪が少ないので、下黒姫沢左岸尾根はあまり危険そうな雰囲気は無い。
ただ、沢が狭くなっている個所では、孕んでいる所もあるので、注意したい。
左手を仰ぐと、エラオトシの尾根がせっぴを作り出している。
しかし、小雪の為か、今年は落ちないのかもしれない。
沢のやや右手の方を目指して下段、中段、上段と登って行くのだが、2名休んでいるようだ。
音松荘のご主人とお客さんに間違いない。
自分も着た切りスズメで、厚着をしてきたので、服を脱ぐ。
今日は、暑い。
汗がとにかく出る。
目の中に入ってくるのが、うっとおしい。
中段を過ぎ、上段にかけての登りでは、九十九折にして登る。
スキーのビンディングの具合がどうも気になる。
古いビンディングなので、ネジが緩んでしまう。
数日前にプラスのドライバーで十分締め付けたのだが、片方のネジが曲がっていた。
拠って、最後まで入らない。
今日は音松荘のご主人とは別行動で、袴腰まで登る予定だった。
しかし、スキーが不具合では先行きに不安がある。ドライバーを持参しなかったのをことごとく後悔する。
上段の平らな所を、通らずそのまま尾根づたいを歩くことにした。
ところが下りが有った。
大した下りではなかったが、損をしたような気分になる。
右上を見れば、音松荘のご主人とお客さんが、黒姫方面に向かって、歩いている。
後15分も歩けば、山頂に至れるだろうと思う。
自分はひたすら登るのみだ。
やがて、左手にはエラオトシ沢の源流部分が見えてくる。
熊狩りで何回も通った所だ。
この付近の鞍部では、絵馬を取り出して、クマ捕獲を祈ったものだった。
尾根に着けば、大分新雪がたまっている。
新雪に隠れてクレバスが顔を覗かす。
クレバスに嵌らないように注意しながら、ゆっくり、駒の神方面に登ってゆく。
いよいよ目の前に駒の神の急斜面が直ぐ近くに迫ってきた。
シュプールの痕がある。山のエキスパートT氏かも知れない。
それとも稜友会の方々か?トレースも、うっすらだが見られる。
スキービンディングの不備や新雪の状況などで、袴腰まで行く意欲は失せている。
ただ、駒の神までは何とか行って、様子を覗きたかった。
とりあえず、昼食にすることにした。
風も強かったが、体も冷えてきたので、ラーメンを煮て食べる。
ザックを置いて、スキーのシールを外す。ここからは、雪の状態も気になるので、壷足とする。
深いところは30cmも有るようだ。
ますます、袴腰まで行くことは精神的に苦痛になった。
なんとか駒の神に着く。
駒の神近くの烏帽子山側の斜面は意外と緩やかだった。
登る時は、尾根裏は切れおちているように感じる。
急斜面なので、しっかり土台を作ってスキーを装着する。
滑り出すが、めちゃくちゃ曲がりづらい。
最悪の雪のコンディションの日のようだ。
ザックを背負い、更に下へ。
音松荘のご主人と1名のお客さんも滑り始め、既に上段まで下っている。
雪が硬ければ、大斜面を嬌声をあげながら滑れるのだが、歯を食いしばってジャンプターンで滑らなければならない。
おまけに、滑る所と滑らない所の落差が激しく、うっかりすると急ブレーキがかかったようにつんのめってしまう。
悪雪も大変疲れるが、それ以上に滑らないのはもっと大変だ。
滑るだけでとにかく疲れる。
上段から中段を見ると、音松荘のご主人とお客さんが休んでいた。
挨拶を交わし、一緒に休む。2名の行った後、ゆっくりと下り、車に到着。
ムジナ沢橋8:15 下段手前9:15 中段9:55 上段10:35 駒の神手前鞍部(昼食)11:45
駒の神12:25 ムジナ橋14:10
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