4月8日嘉平与のボッチ手前〜鬼が面山尾根下山

 浅草岳スキーツアーの最終的決定の為の下見であった。
当初、この日のメンバーに入っていなかったが、音松荘のご主人に口を聞いていただき、急遽の参加となった。
第1回目の下見の人足よりも、少ない人数での下見である。
軽く、音松荘でお茶を馳走になり、全員で白崩沢林道から入ることにした。
雪はかなり少なかったが、なんとしてもこの伝統行事をやろうという事で、下見参加者の意気は上がっている。
前回の3月18日よりも、約1メートルの減であった。
白崩林道の終点までは、さしたる作業もなく登っていく。
白崩林道の終点から、ヤジマナ尾根を仰ぎ見ると、やはり相当に少ない感じはある。
沢伝いに、邪魔になる木を切りながら進んでいく。
以前に較べると、随分と小奇麗にコースが出来上がり、スキー場並みだと言い合う。
今後の為にも、再整備をするべきではないかとの声に、皆賛成する。
ヤジマナ尾根に取り付けば、さしたる小雪も心配なさそうである。
至るところに赤テープを捲きつけたりしながら、徐々に作業を進めていく。
右側にアイヨシ沢が見えるピークでは、かなり問題視されたが、多少の手を加えることで皆が同意した。
従来、ヤジマナ沢左岸尾根を滑る予定であったが、アイヨシ沢を下るコースにした。
ヤジマナ沢左岸尾根は、風通しも良く、雪も大分少ないからである。
アイヨシ沢にはたっぷりの雪が有るし、コースもスキー場並みのコースである。
コースは、やや進路を左手にとり、ヤジマナ尾根へと向かう経路をとる。
やがて、アイヨシ沢の源流とヤジマナ尾根が合流する地点へと到着すれば、前方に嘉平与のボッチが見えてくる。
ここで、お昼を過ぎていたので、昼食とする。
今日は握り飯を持参せず、ラーメンとパンのみの昼食である。
昼食を済ませ、休んでいると、朝方一緒に出発した音松荘の叔父きが女性と共に下山してきた。
このオヤジさんは、今は亡き、音松荘のO氏の弟である。
名まえはT氏である。
皆と合流し、T氏はなにやら興奮している。
クマの足跡に載ったというのだ。
スキーツアーのコース整備も終了したので、元森林事務所O氏と自分、それにT氏で様子を見に行くことにした。
二人とも、先ほどの歩みからは考えられないようなスピードで、雪山を飛ぶように下っていく。
僅か、30分ほどで、尾根を二つも越してしまった。
自分よりも20歳も年上であり、息を切らすわけにはいかない。
彼らに接近にしているときは、息をできるだけそっとする。
どうやら、クマは、鬼が面山の尾根と、南岳の尾根の間に居るらしい。
二人は、南岳の方面を回り、自分は鬼が面山の尾根を下りながら、足跡をチェックすることになった。
鬼が面山の尾根から、村杉沢の方にクマの足跡が下っていれば、合図しろ、という打ち合わせであった。
足跡が、尾根に載っていなければ、手で大きな丸を作れ、と打ち合わせする。
尾根を良く見ながら歩くが、足跡らしきものはカモシカの跡のみである。
やがて、2人は尾根と尾根の間には入り込んだのか、姿が見えなくなってしまった。
しばらくして、対岸尾根が見渡せるピークに着く。
そこで、眺めてみると、2人が随分遠くの尾根まで行っているのを確認する。
「こちらには抜けていないぞ」と手で輪を作る。
すぃばらくして、2人から、帽子を振る合図が出た。
どうやら、クマは福島県側に向かったようである・・・という判断をして先に下り始める。
村杉沢の橋が直下に見えるが、どうも藪がありそうなので、安全に造林地の中を下ることにした。
しかし、着いてからが圧倒的に長く、ホテル大自然館までは小1時間も掛かってしまった。
本日は、コースタイムだとか、そういう山行きではなかったので記録はない。
しかし、おおむね8時間は歩いたようだ。
画像説明:上から   @アイヨシ沢上流部分
            A嘉平与のボッチ
                   B鬼が面山尾根より、夫婦滝
                  C夕沢林道から望むダム湖
トップページへ
2002年山歩きへ

山塊別山行き記録へ戻る