12月15日浅草岳(途中撤退)
先週、所属山の会の忘年会が我が大雲沢ヒュッテで催され、大いに盛り上った。
そこで初めて知り合った、小千谷市のYさんと浅草岳に行く事になった。
Yさんは、モーグラー&バックカントリャーで30歳台の好青年。
自分より随分年下だから、体力もばっちり。
心強いパートナーに恵まれ、一路、浅草岳を目指す事にした。
目的地を浅草岳にした理由は、個人的な理由からで、ここの所2回続けて守門岳山塊に行っていたので、
そろそろ浅草岳に行く順番であると感じていたからに他ならない。
7時45分きっちりにYさんはやってきた。
荷物を移し変えたりするのも大変なので、2人でそれぞれにホテル大自然館前まで行く事にした。
準備を整えて、8時15分に出発。
雪が重く、随分とぬかる。
10分ほど歩くと、タヌキやウサギの足跡がある。
タヌキは、どうやらこの辺に住居を構えて、食料を調達する為に獣道をつくり、活動しているようだ。
ウサギは、その点活動範囲は比較的広く、テンやキツネから逃れる為にかなり移動するようだ。
ホテル大自然から数10mの間、スキーの踏み跡は有ったが、白崩沢に差し掛かり辺りから全く跡は消え、
私達二人の踏み跡のみとなった。
本日の浅草岳へのルートは、自分の提案で白崩沢ルートから登ろうというものであった。
白崩橋の袂から、ひたすら林道を歩くという行程となる。
林道の最終地点近くなると、懐かしい白崩沢の大滝が現れる。
そこでしばらくYさんと大休止する事にした。
前方を見上げれば、進行ルートの峰が見える。
ここまでで相当時間を費やしているので、先行きの大変さをあらためて知る。
林道が終了し、いよいよ本格的な登りとなる。
4月のスキーツアー時のルートは、雪が少なく、通る事は困難なので、真っ直ぐ杉造林地に入ることにする。
造林地の半分くらい過ぎた辺りで、左のスキーが外れた。
一瞬、壊れてしまったと思い、焦る。Yさんにも、雪山でのスキーのトラブルは最悪を意味する・・・と言われる。
あれこれしているうちに、ちょっとした力の入れ具合で直った。
どうやら、雪がスキーブーツの下に潜り込み、それがどんどん増えてきて、
ビンディングを外れやすく作用したようである。
杉林の中は、温度が上がっている為か、雫が垂れており、表面の雪は湿っている。
しかし、表面からすぐ下の雪は、比較的乾いているので、その温度差でシールに雪がくっ付くのだ。
おまけに、スキーブーツの下にもどんどん雪が付き、歩きづらい。
というよりも、より重くなるので、体力的には相当きつい。
標高はようやく1,000bに近づいてきたのか、風が少し出てきた。
造林地が終了したところで、一息入れようと休憩する。
ここまでで、3時間30分掛かっているので、Yさんと相談し、
この上のヤジマナ沢の滝の尾根で引き返そうと言う。
ここまで、2人で順番に先頭を歩いていたが、最後の急登はYさんにお願いする。
Yさんはさすがに若いのでぐんぐん登っていく。
ホテル大自然館から、4時間、ようやくヤジマナ滝の尾根まで辿り着いた。
遥か彼方には、嘉平与のボッチが見える。
万が一、山頂を目指せば、あと3時間近く掛かりそうである。
尾根は風が冷たく、体も冷えていたので、取り合えず造林地まで下り、そこで昼食とする事にする。
シールを外し、軽く生でワックスを塗る。
若いYさんに追い越されぬよう、先に滑り始める。
いきなりの急斜で、しかもブッシュが有り、極めて技術的には困難・・・しかも、超湿雪で深雪。
まともな重心位置ではまず前につんのめってしまう。
思いっきり、踵に乗り、なんとかターンする。
下りのコースを選定しようと、Yさんが来るまで待機する事にする。
この雪を滑れるスキーヤーは、相当なテクを持っていなければ無理であろう。
しかし、モーグラーYさんは、何のその、転ぶ事無く滑ってきた。
ちなみに、自分はYさんに見つからないように密かに転倒してしまっていた。
見られなくて良かった。
いずれにしても、スムーズなターンは至難の業と言える雪であった。
造林地の下までようやく滑り込み、そこで休憩する事にした。
Yさんからドリンクを頂き、大変美味かった。
しばし、30分ほど休み、林道を下り始める。
我々が登った跡が2本のラインになって残っている。
そこを滑らせながら下るのであるが、あまりにも雪が重い為、
余分な雪が膝やスキーブーツにまとわり付き、ブレーキになってしまう。
林道を下るだけでも、相当な労力となってしまった。
最後の斜面で、Yさんはジャンプをしたかったらしいが、スピードが出ず、難しそうであった。
休憩含め、約6時間の行程で、ホテル大自然館前に着いた。
そこで、Yさんと別れ、それぞれが帰路に着いた。