12月22日 米山
かねてより登りたいと思っていた、米山に登れるチャンスがきた。
所属山の会山行が米山になると聞いていた。
集合場所に着くと、リーダーのYさんと、Sさんが既に来ていた。
予定のコースが雪の為侵入できない旨、別のコースを行くという。
Yさんの車と自分の車に分乗し、大平登山口を目指した。
車を走らせていると、やがて右手には、日本海が現れた。
冬の海にしては穏やかで、落ち着いているように見えた。
そこには、そびえたつ山のような傲慢さは無く、包みこむような優しさを感じる。
何もせず、海だけを眺めに来るのも良い・・・そう感じる。
Yさんの車が左折し、米山方面に向かって登り始めた。
古い味な集落が現れ、時間を遡ったような錯覚に陥る。
その部落に至るまでの間、段段の田圃の痕跡がいたる所に見られた。
昔はここで米を作っていたようだ。
地元に住むSさんが先頭で、パーティーを引っ張る。
地元の話や、米山の話を聞こうと、Sさんの後を辿る。
地元の山で有り、コース状況も把握しているSさんのペースは少し早く、ちょっときつい。
林道の途中から、有雪期ルートに変わり、割と直登気味に踏み跡は付いている。
しばらく行くと、無雪期ルートと合流し、下を見れば日本海が雄大に広がっている。
海を眺めながら登るという経験は初めてで有り、地元の山好きが羨ましくなった。
登山道には、イカリソウやオオイワカガミの常緑の葉が残っている。
特にイカリソウが多いようだ。
大分登っていくと、ブナの木も見られるようになる。
所々で休憩を挟み、およそ2時間30分で山頂についた。
遠くまでの眺望は見る事が出来なかったが、Sさんの説明によると、
刈羽黒姫山・八石山など教えていただいた。
皆が汗をかいているので、早速小屋の中に入り、宴会の準備をする。
手馴れた作業で、男達もこまめに働いている。
こんなに真面目に料理づくりを家でもやって頂ければ、さぞ細君は大喜びであろう。
和風・洋風・中華・と世界中の料理が振舞われた。
そして、アルコールもビール・発泡酒・酒・ワイン・中国酒など、さながら海賊のパーティーのようだ。
どうやら小屋の中には3時間も居たようである。
午後1時に小屋を出、下り始める。
登りに汗をかいた服が、急速に乾いてくる。
登山口に着き、温泉を目指す。
色付きの温泉で、強烈にあったまる。
全員が揃い、リーダーYさんの締めで解散となった。
誰もが知っている「米山」・・・ようやく登る事が出来た。
予想通り厳しい山だったといえる。
海を眺め、母の懐に抱かれる・・・そして、父なる米山で勇気を貰う・・・。
ここは、一種独特の不思議な贅沢な山行きが出来る地だ。