5月15日守門岳ピストン (単独)
今日は、役場の職員と登る予定であったが、朝になってキャンセルされ、自分ひとりでの山行きとなった。
8時を過ぎていたので、大ぶ気温も上がり、暑い登りとなった。
思えば、5月の7日に毛猛山の大縦走をしてから、1週間ぶりの山である。
この1週間というものは、さほど肉体的な負荷をかけておらず、また、体調もここの所不具合であったので、ゆっくりペースで登ることにする。
汗が、顔からどんどん落ちてくるが、その雫が意外に美しいのが気にとまる。
ナルシストを気取るわけではなく、汗というものは本来純粋であるのだと認識する。
相変わらず、ブユも多いし、フユシャクの幼虫もかなりの数ぶら下がっている。
これらの生き物に、意思など有ろう筈も無く、体の奥底のDNAの神の声のみによって行動しているに過ぎない。
一応、携帯のこぎりを腰にぶら下げていたが、特別に切る木も既に切ってあるので、見当たらない。
水場付近の雪も大分退行し、僅か10日間の間でも見ちがえるほど消えている。
確か、この辺にブナの立ち枯れが転んでいた筈だが・・・やはり、登山道のど真ん中にぶち転んでいる。
どうしようか、しばらく考えるが、立ち枯れを塞いでいる生の木を伐採することにした。
健康な木を切るのは、多少忍びなかったが、二酸化炭素の吸収という観点から考えれば大した問題ではないと切る事にした。
その木を切ると、つっかえ棒が外されたように、立ち枯れの大木は、登山道のやや脇へずれ、丁度良く通り道ができた。
残った木を細かく刻み、藪へ捨て、完了。
完璧ではないが、これで歩くには支障が無い筈だ。
水場への登山道は、大部、沢寄りに進路をとれるほど、雪が消え始めていた。
5月の1日に自分が付けた赤布もかなリ藪の中となって退行している。
二の芝付近は、まだ大分雪があり、三の芝の田小屋分岐点にも十分な雪が蓄えられている。
二の芝から、山頂への稜線もかなリ雪を踏めるようだ。
山頂には、平日にも関わらず、10名ほどの登山者がいた。
聞けば、三条市からのパーティーが7名と、ご夫婦の方が二組ほどであった。三条市の方々は、楽しそうに互いのご馳走を分け合ったりして、ビールも飲んでいたようであった。
自分も、この間飲み忘れたビールのビンを雪の中に埋め、しばらく景色を眺めたりしながら、ビールの冷えるのを待った。
ただ、この日は食い物をソーセージと握り飯しか持ってきていないので、なんだか手持ち無沙汰となる。
10分ほど我慢し、ビールの栓をライターでこじ開ける。
やはり、まだ適温ではない。贅沢は言わず、何とか胃袋に収める。
ビール瓶は大瓶なので、割とほろ酔い加減になってきた。
三条市の方々が、山のウオッチングを始めたので、自分も加わる。袴腰山や八木鼻の位置を教えていただいた。
ただ、番屋山の位置が今ひとつ把握できていない。自分がである。
三条市の方々が、大原口に向けて下山し始めたので、自分も下山準備を始める。
下山を始めると、花をデジカメに収めようという気になってきた。気の早いツバメオモトが咲いていたからだ。
特別気が早いわけでもなく、気候がそうだから咲くだけなのだが・・・。
以前から気になっていた、オオバキスミレだが、割と小さいので、この辺に存在するのは「ナエバキスミレ」かもしれない。
ありきたりだったが、あまり綺麗なので、キクザキイチゲやカタクリなどもデジカメに収めた。
以上の花々を撮影していると、下方に、先ほど出発した三条の方々が雪の上を歩いていた。
田小屋の分岐点の付近で追いついてしまった。
女性の方も半分くらい居られ、雪を滑るのが恐いらしく、割とゆっくりと下っている。
登山道整備のねぎらいの言葉を頂き、恐縮しながら、追い越して下る。
色んな事を考えながら下ったので、疲れはほとんど感ずることが無かった。
本日の予定は、予め、布引の滝の登山道を下山する予定であったので、途中で分岐し、布引の滝方面に進路をとる。
ここでは、もうチゴユリとヒメシャガがみられた。
あまりはっきりと撮影するのは難しいと思われたが、尾根筋の急登を撮って見る。