6月6日 六十里登山口〜鬼が面山山塊ムジナ沢ガッチ

朝一番に田代平まで用事が有り、行っていた。
午前9時過ぎ頃から六十里越から登れば楽勝だろうと考えていた。
しかし、この用事、相手が有るものだからなかなか終わらない。
結局長引いてしまい、六十里登山口を出発したのは、10時55分であった。
車から一歩出れば、炎天下のような天気である。
登山口には2台程車が止まっている。
手帳に時間を書き込み出発する。
 実は私事で恐縮だが、タバコを2週間ほど前にやめた。
従って、かなり出だしは楽ではあった。
いつもならば、登山口からすぐの所では極めてゆっくりペースで歩くのだが、割とヒョイヒョイ進む。
--これもタバコを止めた性なんだ!---
前毛猛山の藪の入り口付近までは、実に軽快。
この分で行けば、マイクロ中継局までは40分も掛からないで行けそうだ。
ましてや、鬼が面山までは1時間30分ほどで着けるかも?…等と考える。
 しかし、暑さがガンガン体中を覆い尽くし、結果息はあがる。
オマケに今日の出で立ちは、登山下着の上に厚手のトレーナーを着込んでいるから尚更だ。
一種我慢大会のような気分になってきたが、これもまた良しと暑さを我慢しながら登る。
どんどんペースが落ちて、休まずにはいられない。
結局、登山口からマイクロ中継局まで42分掛かってしまった。
とてもこのペースならば、鬼が面山まで2時間で行くのがやっとだ。
取りあえず、どうしても浅草岳山頂まで行かなければならないわけではないし、途中で帰ってもいいと思う。
 マイクロ中継局からしばらくは旧六十里越街道を歩くのだが、意外に長い。
六十里街道から分かれ、山道に再び入って行くが、ここもまた、だらだら登りでなかなか着かない。
この辺は地形が比較的平らな部分であるので、雪は消えたばかりのようだ。
ツバメオモトの花やミヤマカタバミ、コミヤマカタバミがある。
コミヤマカタバミはミヤマカタバミに較べると、やや小さめだが、花はピンクがかって美しい花だ。
デジカメで撮影したかったが、疲れているので、帰る時にまとめて撮ろうと思う。
 六十里旧街道分岐から歩くこと30分近くで、一気に視界が切れる。
ここは、鬼が面山稜線の南端の南岳の一角である。
ここから延々と浅草岳の前岳までの、アップダウンの稜線歩きが待っているのだ。
しかも、この辺には珍しく、多彩な植生が有り、花を観察するには最適な場所だ。
春一番に咲く、マルバマンサクは完全に花はなく、オウレンも無いようだ。
しかし、雪が消えたばかりのところにはタムシバがいくつか見られる。
 登山道の定番のアカモノ、ゴゼンタチバナ、ミツバオウレン、マイズルソウがある。
そこに時折、チゴユリが混じり、さながら小人達の賑やかな会合のように見える。
待望のヒメサユリは、南岳付近に赤い蕾のものが見られたが、その他は未だ蕾にすらなっていないという物も多々有った。
今年は、サラサドウダンツツジが花を殆んど付けていない。
一昨年はキチガイじみた花を付けたが、これも何年かに1回は休むのであろうか。
気温の変化や、環境などの要因でなければいいが・・・と少し心配になる。
村杉沢カッチ近くに、シラネアオイが群生しており、サラサの心配は消し飛んだ。
村杉沢カッチからムジナ沢カッチにかけての垂直壁には、珍しい植物の花が乱舞していた。
珍しいといっても、この山だから珍しいのである。
垂直壁に生息しているので、近くで観察できない為、同定は難しい。
拠って、色んな種の名前が言われている。
私は、白いものは「ハクサンイチゲ」、紫色は「ユキワリソウ」であると思っている。
この、ユキワリソウはオオミスミソウのことではない。
サクラソウ科の中で、ユキワリソウという種があるのだ。
垂直壁で特に目立った花は、この2点だが、少し大きめの黄色い花があったので、「イワキンバイ」ではないかと思う。
他にも、ツガザクラが見られた。
これらが終了すると、グンナイフウロなどが咲き、そのほか、面白い興味深い植物達がお目見えするのだ。
 本日の行程は、ムジナ沢カッチを前岳方面に少し下ったところで終了という計画とした。
浅草岳山頂まで行けば、当に午後3時を回ってしまい、帰りは6時を過ぎてしまう。
いよいよデジカメを引っ張り出して良いショットを狙う。
なかなか同じ雰囲気は出るものではない。
 鬼が面山山頂でしばらく休憩し、あとはゆっくり歌いながら下った。

六十里登山口10:55 マイクロ中継局11:38
六十里旧街道分岐11:50 南岳12:15
鬼が面山12:52 村杉沢カッチ13:10
ムジナ沢カッチ13:40 ムジナ沢カッチ発14:10
鬼が面山15:20 六十里越え旧街道分岐16:20
六十里登山口17:40

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