9月20日 荒沢岳

今日は、久しぶりに越後三山近辺の山に行こうと思った。
越後三山周辺の山には、過去何度か登っているが、眺望に恵まれたことが無かった。
4年前、荒沢岳に登ったのだが、ほとんどガスで見えない日であった。
その時の荒々しい男性的な美しさを味わいたくて、今日は荒沢岳に登ることにしたのだ。
登山口を出発したのは、既に9時30分であった。
前方には、どっしりと前山がそびえ、容易に本峰までは寄せ付けぬよう構えているようだ。
銀山平の標高がおよそ800m、前山がおよそ1,000mほどであったと記憶していた。
よって、200mは取り合えず、標高を稼がなければならない。
歩き始めて、30分ほど経過するが、なかなか前山に到着しない。
40分近く掛かり、ようやく前山に到着した。
地図を見ると、1090mとある。
およそ、300mの一気登りであった。
 4年前、山頂まで、4時間30分掛かったと記憶していた。
従って、先の心配も有るので、前山では休憩せず、どんどん先を急ぐことにした。
前クラ下まで来ると、登山者が1人休んでいた。
話を聞くと、荒沢岳に登るつもりはなく、未丈が岳に登りたかったそうである。
なんでも、泣き沢の入り口が解からなかったそうである。
 今まで全く休憩せずここまで来たので、給水することにし、少し休む。
5分ほど休んだ後、先程の登山者を追い越そうと急ぐ。
前クラは、2スパンに分割されており、その第一弾から急登が始まっている。
その急登の途中で、先程話をした登山者を予定通り追い越す。
第一弾の急登を登りきると、今度は核心部の岩場の急登が現われた。
約70度ほどの急斜面を、へつるように登山道は敷かれてある。
登山道と言っても、岩場を縫って鎖が施されているのみである。
知人が、鎖が外された後に登った事があると言っていたので、鎖を用いず登ってみたが、
結構登れるものである。
ただ、下りに関しては相当集中しないと危険であろう。
 先程のお一人の登山者は、どうやらこちらに来ないようである。
前クラ下から前クラまでは約1時間要し、いよいよ最後の稜線歩きとなる。
どう見ても、後1時間で着きそうもない感じだ。
稜線からの眺めは見事で、雪で洗われたスラブや、万年雪も見られ、
ピラミダルな山容を眺めながらの登りとなる。
途中で5名ほどの登山客と行き会う。
急登となり、しばらく我慢の登りが続くも、いきなり山頂稜線に取り付く。
山頂稜線から15分で山頂に着いた。
山頂から西側を見れば、駒ヶ岳や中の岳が望め、その真中に八海山の八つ峰が顔をのぞかせている。
南部から南西部を見ると、かつて有ったとされる、灰吹山〜灰の又山〜巻倉山〜兎岳の廃道稜線が、
見事に誘っているかのように美しく整っている。
また、東側に伸びる、花降岳の稜線も美しい。
残念ながら、北側の景色は興ざめだった。
勿論、すぐ近くの日向倉山、未丈が岳、毛猛連山、浅草岳、守門岳、は美しくその山容を際立たせていたが、
新しく銀山平として作られた旅館街は、なんとも言えない気持ちになった。
勿論、そこには私がお世話になった湖山荘も有る訳で、
そういう意味では、応援したい気持とそうでない気持が複雑に絡み合っていた。
4年前には、朽ちかけた山頂の道標が有ったが、現在は垢抜けたコンクリート製の道標となっている。
午後1時を過ぎたので、山頂の道標に手を合わせ、下山を開始した。
デジタルカメラの撮影は、登る途中で殆ど撮り終え、山頂でもかなり撮影したので、
後はひたすら下山に徹しようとハイペースで下る。
 前クラ下山時には、やはり鎖が欲しくなった。
この下山は、鎖を使わなければ、相当集中して下らなければならないだろう。
やはり下りの方が、恐怖心を感じる。
前クラを経過すれば、後は高速道路である。
下りは2時間15分ほどで登山口に着いた・・・というより、ちょっと時計と睨めっこをしてしまった。
4年ぶりの荒沢・・景色も良く堪能した。

荒沢岳登山口9:30   前山10:06   前クラ下10:45  前クラ上11:45   山頂12:55
山頂13:20  荒沢岳登山口15:35

前倉の直登岩 前倉上から山頂方面

山頂からの景色 兎岳への縦走路口



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