2月18日守門岳・網張・屋形平尾根ピーク経由(単独)
大原スキー場駐車場6:30 大原スキー場終点7:08 屋形平尾根7:53
屋形平尾根発8:03 急登上9:00 田小屋稜線9:27 二の芝10:03
山頂10:45 山頂発10:52 網張11:25 山頂12:10 山頂発12:25
田小屋稜線13:05 田小屋稜線発13:15 屋形平尾根分岐13:52
屋形平尾根ピーク14:50 大原スキー場駐車場15:55
スキー場の整備されたアイスバーンのゲレンデをスノーシューを履いて出発。
第2リフト乗り場まで来ると、綺麗な朝焼けに染まった守門岳が見えてきた。
第2リフト乗り場からの朝焼けの守門岳 |
第2リフト乗り場は、ひっそり閑とし、時計だけが動いていた。
第2リフト終点には、約40分で到着し,ほぼ予定通りであった。
ゲレンデを離れ、休む事無くフィールドに入って行く。
日曜日に誰か歩いたのだろう、スノーシューの踏み跡がうっすらと有る。
丁寧に赤布まで結んである。
雪は、さほどぬからないが、クラストしている為に多少歩き難い。
2003年2月18日現在のウサギ峰の雪の状況 |
屋形平尾根に到着し、少し小腹が減ったので、何か食べる事にした。
今日は自分で飯を炊き、おかかと醤油で味付けし、握り飯を6個作っての山行きだ。
ポカリを少し飲んで、握り飯を食い、寛ぐ。
これから登らんとする、急登はいかにも大変そうだ。
雪はやはり少ないのか、今の時期しては早く割れ始めている。
おまけに、深雪が少々しか被っていないので、スノーシューではひっかかりが無く、極めて歩き難い。
イライラしてきたので、スノーシューを脱ぎ、登山靴で歩く。
急登を過ぎ、再びノーシューを付け、歩く。
小雪の冬とはいえ、やはり今は未だ2月である。
春先のどんよりとした空気ではなく、冬のシャープさをも感じる。
田小屋稜線に着くと、そこは別世界が広がっていた。
周りには誰もいない。
全く、この景色が自分のものだけの為に有るような錯覚に陥る。
雪の表面にはスターダストが散りばめられ、波紋を形成している。
ブナの枝は海老の尻尾が形成され、それがサラサラと雪の上に落下している。
・・来た甲斐があった。そう思う。
田小屋稜線から見た守門岳 |
三の芝に着くとそこには懐かしい地形があった。
小雪年ではあるが、田小屋道との分岐の尾根には巨大な雪庇が形成されている。
山頂は大分近くなってきた。
所々クレバスが開き、雪が被っているので注意する。
4時間15分・・、ようやく守門岳山頂に着いた。
2003年、初の守門岳である。
守門岳の神様に手を合わせ、願をかけた。
日本海には,佐渡はなく,水平線は雲のようになっていた。
飯豊は、地面から浮き、吾妻も浮いている。
守門岳の袴腰へ伸びる曲線は、鋭利な刃物のように砥がれ、誰も近寄りがたい冷たさを放っている。
2003年初めての守門岳・・と言うことでスナップ | 相変わらずのナイフの切れ味です・・袴腰 |
ビールを埋め、大岳方面に向かってみる。
スノーシューはそこに置き、今度は輪カンジキで歩いてみる。
所々アイスバーンが露出し、山はかろうじて冬をアピールしている。
青雲岳から網張に向かう途中の雪庇は、小雪とはいえ、重厚な質感はある。
網張に近くなってくると、突然、大岳は膨大に見え始めた。
大きく見え始めたら、諦めて撤退だ。
途中数メートルにも及ぶ,クレバスがストックでつつくとぽっかりと現われた。
数々の危険は有るのだろうが、この研ぎ澄まされたストイックな美しさは、誰しも魅了されるのだろう。
山頂で、ビールを開け乾杯した。
何に乾杯か?とりあえず、5日前の誕生日でも祝おうか。
この寒さの中、ビールを630cc飲み干すというのも,大変な重労働であると感じた。
二の芝付近の雪庇が落下した部分 |
二の芝の近くで、見附市の大ベテラン登山者に行き合った。
今の時期、人に合うとは、思っても見なかった。
私のトレースが有って、大変助かったと言っていた。
荷物をデポし、山頂まで行くというので、割れ目に注意・・と言う。
・・去年は2/9に来たんだが、4mも落ちてさあ・・
大ベテランは、おどけて合掌して見せた。
下りの急斜面は、スノーシューを外し、壷足で下った。
さほどぬかりもせず、ビールの酔いも有ったので、ちんたら下った。
屋形平の分岐に着き、帰りはスキー場を通りたくなかったので、尾根のピークまで行き、
そこから直接スキー場の駐車場に下ろうと思った。
まだまだ遠く見える、屋形平ピーク |
歩き始めると、意外に遠いと感じる。
さらに、雪は尾根筋で、風の按配か、雪は多い。
尾根は微妙にあちこちに曲がり、下り・・・そして登る。
小1時間も歩き、ようやく目的のピークに到達。
このピークは、スキー場の終点より高く、おそらく700m位は有るのだろう。
今度はそこから、延々と下る・・下る。
いらつくのは、スノーシューの底に雪が付き、すぐ高下駄状態となるのだ。
これが改善されれば、良い履物になるのだろうが、それぞれ一長一短はあるものである。
スキー場がすぐそこに見えてきた頃、大きなブナの樹に何種類もの鳥がいた。
コゲラ・エナガ・シジュウカラ・ヤマガラ・・。
カラ類は、アクロバチックな動きで枝から枝を動き回り、コゲラは「ズイ〜ッ」と独特の鳴き声を放っている。
この穏やかな、鳥の動きが今日の山行きのデザートのようで、心を少しばかり丸く仕上げてくれたようだ。