8月21日守門岳

どう考えても、今日以外に、守門岳に登れる日はなさそうであった。
勿論、8月中に登れる日・・ということである。

仕事の段取りを済ませ、9時47分に登山口を出発した。
外は曇りでどんよりとしているが、幾分蒸すような感じである。
登山口には役場の車が有った。
何かの調査なのか、いずれにしても挨拶を交わす事になるだろうと思った。
只ひたすらに歩を進め、それ以外にやる事も無い。
ひたすら自分の吐息や鼓動を聞きながらの登りを楽しむのみだ。
 一般にエキスパートと呼ばれる人達は、いろんなシチュエーションにチャレンジし、専門用語満載のレポート・・・・
正直憧れはある。
ただ、自分にはそこまでやれぬ、いや、やらなくても良いのかな、とも思ったりしている。
身近にある守門岳や浅草岳に登り、「追い来たぞ!」と挨拶を交わしに行けば良いのだと思う。
ただ、守門や浅草から見える山々を全て網羅し、さり気なく薀蓄を語る事が出来ればと思う。

とにかく今日に至っては、そこいらの風景は私など歓迎する風でもなく淡々とした景色の描写の連続である。
ありきたりの景色にいらついているとミヤマママコナの群生に会ったりする。
花々は互いに向き合い、しっぽりと濡れた登山道の空間で共に何かを語り合っているようだ。
見晴台まで1時間弱で着いた。
途端に色気が出てきて、何とか2時間で山頂に着きたい気分になってきた。
ただ、ボディーに似合わず、搭載エンジンが小さい為か直ぐオーバーヒートしがちな我がエンジンである。
そんな事で誤魔化し誤魔化し宥めながらの歩きとなる。
 三の芝ではゼンテイカがだいぶ残っており、ガスの中に鮮烈な黄色が目立つ。
この場所では相当なゼンテイカが有るのだが、一度に咲くということが無い。
雪の消える順番で、7月中旬若しくは下旬から、向こう1ヶ月間は楽しめる。
雪の方は、おそらく2週間前に全部消えた感じだ。
二の芝を過ぎる頃よりガスはさらに濃くなってきた。
道が無ければ何処がどこやらさっぱりわからない。
 山頂直下で役場の方々と中学校の先生方にお会いした。
なんでも、中学生の学校登山の下見だそうである。
そういう私も昨年、中学校からお願いされたが、結局中止となり、私は今回は声も掛からなかったようだ。
役場の若い屈強な若者であれば、問題無いだろう。
山頂まで行く予定であったが、時間も限りが有るので山頂に行った事にし、折り返す事にした。
ほぼ2時間で到着できた事に気を良くし、帰りの足取りは軽かった。
往復、3時間30分で行って来れた。

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