9月18日浅草岳

 体調的に気になる所があり、その様子を確認したり、山の様子を見たりしながら
ネズモチ平の大駐車場から歩き始めた。
平日にも関わらず、10台程度の車が駐車していた。
やはり、人気の山ということが言えるのだろう。
車の乗り入れはここでストップとなってしまったが、さほどの苦労も無く登山口まで至れるわけで
山歩きとしての満足度も高まるのではないかと思う。
ゲートを過ぎると、道端にはクルマバナやキンミズヒキが楚々とした花をつけている。
約10分ほどでネズモチ平登山口に到着した。
ネズモチ平ら登山口には、音松荘のバスが駐車してあった。
登山道の整備にきたものであろうか、または山の様子を見にきたのであろうか。
いつもの樹林帯を歩き、沢を二つ渡るころ、汗が噴出してきた。
ブナ林に差し掛かる頃、少し休憩しようと思ったが、いつも休む場所まで行こうと歩を進めた。
 ここの所、体重を減らす為に食事量を極端に減らしていたので、それが祟り、疲れがどっと出てきた。
情けなかったが、飯でも食い、ゆっくり休む事にした。
ブナ曽根を過ぎ、歩いていると、音松荘の浅井氏と喜楽荘の浅井氏に行き会った。
登山道の水はけを良くする為に掘割を作りながら登ったらしい。
挨拶を交わし、ねぎらいの言葉を掛けた。
相変らず、ペースは上がらずで、本質的に体中が栄養失調状態になっているのかも知れぬと思いながら登る。
ネズモチジャンクションに到着すると、山頂付近から賑やかな声が聞こえてきた。
木道のあるテラスでは、新潟弁丸出しで宴会が行われていた。
山頂はガスで覆われていて、景色は大して望めなかったが、
何10回も来ていればこんな日も珍しい事ではない。
山頂で手を合わせ、健康を祈願した。
帰りは桜曽根をのんびり下ろうと思っていたので、ジャンクションを真っ直ぐ下る。
エゾリンドウやイワショウブがあるのみで、初夏の華々しさはない。
しかし、前岳付近ではうっすらとした草紅葉も見られ、また、イブキゼリが小さな可愛らしい花を付けており
「浅い草の山」の語源どおりそれなりに美しい山を感じさせた。
嘉平与のボッチに着くと、下手くそな字で、「ここは嘉平与のボッチです」と書かれた円盤が付けてある。
自分が取り付けて書いたものだが、ここだけはしっかりとマジックの字が残っていた。
考え事でもしていたのか、何を如何して下ったのか記憶にすらもないが、
1時間10分ほどで桜曽根駐車場に着いた。
ここから、ガラガラとコンクリートの林道を下りながら歩き始める
ミヤマシシウドやシラネセンキュウのセリ科のむせ返るような花の匂いの中、使い古された桜曽根林道がそこに有った。
これも歴史というものなのだろうか。
ついこの間まで、ここら辺には車が押すな押すなで脇に押し付けられていたのだ。
タチアザミも花をつけ、トリカブトやカメバヒキオコシ、クロバナヒキオコシ。
法面にピンク色のオニシオガマもある。
相変らず、ぼんやりと歩いていると奇妙な物を発見した。
・・・というよりも、気持ち悪い物だ。
昨年もこんな物が見られた気がするが、ミズキの葉っぱに幼虫がびっしりと付いている。
春先や、初夏の頃であれば、珍しくも無い光景だが今は秋である。
皆腹いっぱいなのか、今は休憩中であるのか、動こうともしない。
虫には虫の生き方があり、人間には人間の生き方があるのだ。
そんな事を考えながら、ネズモチ平大駐車場をあとにした。

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2003年山歩き