9月8日 大鳥沢〜前毛猛山〜六十里

かねてより、計画していた前毛猛山トレッキングに1名の方の予約があった。
県内在住の方でMさんと言い、あちこちの山を殆ど単独行で歩いているらしい。
7時30分に大鳥沢から歩き始めた。
今年は雨も多く,昨年に較べると幾分水の量が多いようだ。
Mさんは地下足袋で,私はスパイク付の長靴での足回りである。
いつものように最初の滝が有り、古い目印を見つけ右側から巻いて登る。
1時間ほどで細いナメ滝の手前まで来た。
ここで,自分自身が疲れたので,ちょっと休みをとる。
なんだか異常に暑い日のようだ。
そこからヌマガヤの岩場の斜面を登り、潅木の尾根を登り、滝を右下に眺めながら巻く。
わざわざこんなに巻かなくても,ナメ滝の直ぐ脇の右手を通れば容易に行けた感じだ。
大きく捲き,さらにまた下り沢に入る。
しばらく行くと沢が二つに分かれた。
ここが唯一心配な箇所であった。
どっちに行ったのか覚えていないのだ。
多分・・左だったような気もする・・でも、逆だっかな。
最初のひらめきで,左に行く事にした。
10分位歩いて完全に間違えたと確信した。
ここから藪を歩き、右側の沢に行く気力も無い。
もう大分,高くなってきているので、このまま行けば稜線に飛び出るだろうと,
カメバヒキオコシの藪を手で掻き分けながら登る。
斜面はさらに急になり,40度近い急登になってきた。
ちょっとした岩の上で休憩する。
気温も相当に高いのか,いつもより疲れる。
カメバヒキオコシも途絶え,立派な藪が目の前に現われた。
結構標高が高い筈なのだが,アブラチャン等の繁殖力の旺盛な樹木達の藪だからかなり手強い。
しばらく行くと、稜線が近いのか明るくなってきた。
稜線と思われる所に付くが,道も不明瞭なので多分稜線であろうとMさんに言う。
程なく、うっすらと道型らしきものが見えてきた。
数10m歩き、山頂へ。
目の前にはどっしりとした毛猛山塊が,中岳,百字ヶ岳,太郎助山を従えダイナミックな景観だ。
田子倉湖もエメラルド色に輝き,重厚な色合いだ。
守門,浅草も勿論見え,越後三山,荒沢,平が岳,尾瀬燧ケ岳も良く見えた。
改めて,山々を眺めるには良いスポットだと感じる。
書き忘れたが,大鳥沢入り口から3時間掛かり、10時30分山頂到着であった。
30分ほど休憩し,帰りは稜線の藪漕ぎをする事にした。
2年前に足沢山から毛猛を経由し,前毛猛山を通り,六十里越に下山したルートを辿ってみたかった。
2年前より、完全に藪がひどい。
1時間ほど,そこそこのうっすらと解る藪であったが、1時間を過ぎた頃からはさらに気温が上がり
うだるような暑さの中,背丈ほどの藪を掻き分けながら歩いた。
若干の下りであったが息遣いさえも荒くなり,藪の途中でも休憩する。
暑い中の尾根歩きも大変だが,背丈以上の藪歩きも極上の我慢大会だ。
2時間近く延々と藪を漕いでいると,徐々に体調が良くなってきた。
先が見えてきたからに他ならない。
全く今日は,無理せず,沢を引き返すべきであったと後悔する。
鉄塔が見えてきた頃,さらに背丈の数倍の藪となった。
尾根も広くなり,所々結んであるピンクテープを拾いながらの歩きとなる。
樹の傾斜の向きが、一方向に傾いている地形に入ると,そこはたちまち尾根から外れたと言う事になる。
最後は文字通り掻き分けなければならぬほどのチシマザサの藪となった。
チシマザサの大藪を抜けると,もう1つ小山を登る所に出た。
雨量計の所まで辿り着き,数十歩歩くと六十里越登山道に飛び出た。
Mさんと互いに登山道の有難さを語った。
軽快な足取りで登山道を歩き、再び前毛猛山の雄姿を眺める事の出来る場所に着いた。
2人とも極自然にカメラやデジカメを取りだし、目的の山を撮影した。
六十里越トンネルの所でMさんと別れた。

1234m前毛猛山山頂から見た毛猛山連山 山頂からの田子倉湖
ゴール間際の前毛猛山の雄姿と掻き分けて
進んだ稜線の一部
ミスタータフネスMさん、前毛猛山をカメラに収める

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