3月22日 弥彦山
3月20日に大雲沢ヒュッテに宿泊し一緒に黒姫まで行ったKさんとFさんに頼んで、弥彦山を案内してもらう事になっていた。
幸いに、地元の山仲間のH氏も今日は暇と言うことで、2人で弥彦まで繰り出す事にした。
弥彦は色んな美しい花々が有ると聞いていたためである。
H氏は、昨年より、私と同様ネイチャーガイドもやり始め、そういったジャンルにも明るくなりたいと言っていたからに他ならない。
私は弥彦山は始めてであったが、過去に多宝山、国上山、角田山と、それぞれKさん達一行と登っている。
それぞれに低山では有るが、新潟県人の心の山々で有り、素晴らしい山である。
山の素晴らしさの定義は、この文章をお読みの方ならお解りかと思うが、高低や景色の云々の問題ではなく、伝統や信仰なども含まれ、まさに弥彦を含むそれらの山は言わば「心の100名山」とでも呼ぶに値する存在ではないであろうか。
弥彦山(638m)は、古くは弥彦火山群であり、大河津分水の低地に限られた第三紀層を抜いた凝灰岩、石英粗面岩等の死火山である。
越後一之宮「お弥彦様」鎮座まします神山として全県民に親しまれている。
特に、新潟平野の農民に篤い信仰は今に続いて、年末年始の2年参り、7月25日灯篭神事に数万の参詣者が群集する祭典がある。・・・と、藤島玄著の「越後の山旅」に書かれてあった。
Kさんお薦めの崖松登山口から出発した。
相方のFさんは未だ来ないので、花でも観賞しながらゆっくりと歩を進める。
すぐ、すたこらとFさんが追いついてきて、三人で登り始めた。
そのうちに綺麗な花が現われて、ゆっくりと観賞しながら結構急登な山道を進んでいく。
所々雪が残っている部分も有るが、道は良く整備され快適な登山を楽しむ。
沢を何回か渡り、いよいよぐんぐん山頂目掛けて急登が続く。
KさんとFさんはぐんぐん飛ばし、私の友人のH氏は悠々と最後部をあちこち眺めながら登っている。
車道を少し歩くと、また山道となり、程なく山頂へついた。
「ゆっくり登ったので一時間半だったね」とKさん。
彼女達にとっては、散歩山行なのであろう。
出発が遅かったので、正午を既に過ぎており、食堂で食事となった。
山に登った後、そこに食堂があるというのも弥彦ならではなのだ。
ゆっくり話などをしながら楽しく過ごし、とっておきのコースを下るのだとKさん。
海を眺めながら、実に渋いコースであったが、残念ながら花は全くなかった。
花よりも、色んなジョークを言い合いながら、楽しく下ったことが何よりもの御馳走でも有った。
普段、獣のような山菜採りやら、キノコ採りをしている、我が友H氏にとっても新しい山の見方を
実感した日ではなかったと思う。
素晴らしい案内を計画してくれたKさんとFさんにあらためてお礼を申し上げる次第です。
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2004年山歩き