8月25日 会津駒ケ岳中門岳
思いで深い越後三山縦走を行った、10歳年上のS氏と一緒に,会津駒ケ岳を目指した。
特別、会津駒ケ岳に拘ることもなかったのであるが、ほど良い車でのアプローチと、急登の少ないコースをと言う事で選択したのである。
5時30分にS氏が迎えに来た。
2時間強で登山口に到着。
すぐ準備を始めるが、小雨交じりとなり、少し様子を見る。
雨も止み、8時20分に出発。
会津駒ケ岳一番の急登が出発地点から30分ほど続く。
30分後、緊急へリポートに到着。
ここでS氏と議論する。
ヘリポートの真上は、周りにブナの樹冠が覆い、とてもヘリが降りれる場所ではなく、面積も狭い。
2人とも「妙だな」と言い合う。
結局、本当のところはわからない。
ヘリポートから下は地形的に急登であり、ヘリポートから上はブナの原生林。
その境目がヘリポートということなので、はしごでも垂らして対応するのであろうと勝手に結論付ける。
ヘリポートから上は、緩登というより、中登?であろうか。
斜面はそこそこ急なのだが、ほど良く九十九折となっているため、あまり疲れない。
登り始めて1時間20分で水場に着いた。
徐々に高度は上がっているようで、ブナは消えうせ、シラビソなどが目立ち始める。
水場から緩登の九十九折を小1時間ほど歩くと、木道が始まる。
木道をしばらく歩くと、草原が現れ、イワショウブの花やイワイチョウの葉が目立つ。
所々池塘が点在し、まさに百名山の風格に満ちている。
やはり目立つのは、秋らしい、ミヤマアキノキリンソウや、シラネニンジンである。
或る時期、華やかにスポットライトを浴びたであろう、コバイケイソウは草紅葉と化している。
チングルマも種子の跡を残し、次なる世代を残したのであろうか。
平たい草原には、木道がレールのように続き、そこに秋の草花、そして白く滞るガス。
山の夏は短いのだ・・・S氏と会話する。
木道の周りを見れば、おびただしいほどのクロウスゴの実がある。
手の届く実をもぎ、口に運ぶ。
小粒でもシャープな色合いと存在感を示す、ミヤマリンドウ。
そこらへんに何処にでもある、アキノキリンソウよりも、味わい深いミヤマアキノキリンソウ。
それは、ここで見るからゆえの感情なのかもしれない。
ガスの中、小屋はあった。
小屋の近くは分岐となり、池があった。
周りにロープが張っている為か、いささか俗っぽく見え、まるで鯉でも泳いでいるような雰囲気さえする。
山頂には、2時間50分ほどで到着した。
恒例のS氏の記念撮影タイムに突入。
「好い男に撮ってくれや」と、ありきたりな注文。
このS氏、自分を撮るだけにとどまらず、必ず相手も撮りたがる。
「いい男を撮ってやるから・・」と促すが、実にありがた迷惑。
それでも、ピースサインなどし、しっかり収まっている自分。
ロケも終了し、一路中門岳へと向かう。
ガスでまるで景色は見えず、ないものねだりのボヤキを延々繰り返す。
鮮やかなハクサンフウロが少し残るが、主役はシラネニンジンの大群生。
綺麗!と感動はよばないが、秋の情緒が溢れ、ふとした優しい一言を聞いたようなやさしさがある。
そういう、地味な、奥底から溢れ出る美しさが好きだ。
中門岳には、トータル3時間20分で到着した。
やはりガスで覆われ、寒い。
瓶ビールの大瓶を飲み、S氏の写真に納まる。
S氏持参のキュウリ揉みを馳走になり、ビールとで腹は膨れる。
30分ほどゆっくりし、寒いので引き返した。
途中、若干の休憩をとり、14時50分に登山口に着いた。
S氏と私は、過去7年ほど同じ職場で働き、確執もあった・・・大いに。
二人が会社を去り、それぞれの道を選び、山の仲間となった。
どっちが本当の私たちの関係なのであろうか、それは解らない。
・・・ただ、お互いに天気に係わらず、楽しい1日であったことは間違いなさそうである。
上:ガスの中門岳とS氏の後姿
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