3月7日 大岳

 昨晩、小出のSさんからお誘いがあった。
あいまいに返事していたが、朝になり行く事を決めた。
 二分集落から1Kほど行くと、終点となる。
既に一番のりの登山者がいた。
聞けば、私のhpをよく見ているとの事。
有難いことだと思う。
 その後直ぐに小出のSさんと湯の谷のHさんが着いた。
程なく入広瀬のSさんも到着。
 本日のメンバーは、共にネイチャー関係のつながりでの山スキー行である。
それぞれが準備を整え、7時10分に出発した。
林道をしばらく歩き、大平へ向けて橋を渡る。
昨日は日曜日と言う事もあってか、夥しいトレースがある。
カンジキ・スノーシュー・山スキー・テレマーク・スノボ・・と、色んなトレース&シュプールがある。
 いつものように大平は通らず、杉の植林地めがけてすすむ。
ミズナラの尾根に突っつくまでの間、急登となる。
そこで皆スキーを外し、つぼ足で歩く。
荒い息を切らし、ミズナラ尾根に到着。
ミズナラ尾根で休憩後再び出発。
大平との合流部の小沢に取っ付く。
『今年は雪が多いのぉ』小出のSさんが言う。
そう言えば沢が開いていないし、いつもの木々の枝が直ぐ近くまで接近している。
トレースに沿い、左手に進路をとり長峰を目指す。
道院方面からのスノーモービルの走行痕が痛々しく、なんともいえない気分になる。
長峰の途中で少し休憩する。
眺望は悪くないが、せいぜい刈羽黒姫や米山、越後三山およびその近辺。
 休憩後、保久礼小屋に向けて少し滑る。
保久礼小屋は殆ど埋まり、屋根の部分だけが出ている。
 ここからいよいよ本格的な登りとなる。
登り始めると、珍しいものではないが、ヤドリギがある。
ヤドリギは、ブナの葉が無い今の時期に活発に光合成をするという話しもある。
今が旬、という事になるのであろうか、美しい実を付けている。
同じブナの木に、黄色い実とオレンジ色の夥しい実を付けているのが目立つ。
見るからに美味そうである・・しかし、レンジャク意外はあまり食さないのであろうか?
今居る野鳥の多くは、木の中の虫などを食っているからなのか、実がそっくり残っている。
小出のSさんは、写真家でもあり、美しい色どりのヤドリギの実を被写体としている。
 歩いているとどうも違和感を感じる。
どうもシールが変だ
ここ数年シールを使っておらず、不備が生じ、スキーの滑走面のシールが剥がれ、スリップして滅法疲れる。
おまけに、昨日の大量飲酒が今頃利いてきたのかきつくなってきた。
しばらくスリップを繰り返していたが、とうとう壷足で歩かざるをえなくなってきた。
キビタキ小屋で大休止をし、小出のSさんから応急処置をしていただいた。
 小屋付近を出発し、一同不動平を目指す。
無雪期には、不動平付近よりブナは矮生となり、有雪期は雪上に姿を見せない。
いわゆる潅木帯である。
樹林帯を抜け、いよいよ不動平が近づいてきた。
湯の谷のHさんが山の同定を始めた。
毛猛山塊の話しをしているので加わる。
毛猛山の後ろ側に、遠く燧ケ岳も見えてきた。
 不動平から大岳までは、結構掛かった。
不動平で、朝一に挨拶を交わした登山者を追い越した。
壷足登山でペースが落ちたのであろう。
壷足登山、スキー括り付け、スキー靴ザック・・これの経験のある人は、このきつさも理解できるであろう。

大岳山頂は寒く、風が強かった。
雪面は風の為シュカブラを形成し、多少クラスト気味である。
大岳からピークまでの爆裂口を形成する稜線には、美しい雪庇が発達し、真冬並みのなめまかしい曲線を連続させている。
大岳山頂は氷点下を軽く越し、シール外しには冷たさに皆が嬌声を上げながらの作業となる。

 川地山塊の盟主、粟が岳をあとにそれぞれが滑走を開始する。
小出のSさんのマテリアルは、プラブーツであるから、難度はEである。
しかしながら、自分の滑りを熟知しており、流麗に滑っている。
湯の谷のHさんは謙遜しつつも、なかなかのものである。
一番若い入広瀬のSさんは、コンパクトにウエイトを効率的に板に載せ、アクティブに滑っている。
前に有級だと聞いたが、イントラ資格の私もいささか負け気味。
クラスト気味のシュカブラに手こずりつつ、休み休みターンを繰り返す。
 キビタキ小屋付近で、大休止しランチとした。
それぞれが昼食をとり、寛いだ。
体調不良のせいか、食欲は無かった。
小出のSさんからコーヒーを頂いた。
寒かったので、ずいぶん温まった。
 休憩後、再び下山開始。
各自、自分のシュプールを描くべく思い思いのコースを選択し、ピステに散らばる。
痩せ尾根を過ぎ、母川に向け急斜を滑走。
うっかり踵に乗り過ぎ、転倒。
普段履いている板、およびブーツの違い等、言い訳を一応用意。
母川左岸をへつり、保久礼小屋に到着。
保久礼小屋の屋根には、5m以上の積雪が乗っかっている。
大積雪の保久礼小屋をデジカメに収め、長峰まで登り返す。
長峰ピークでは、写真家がワカン登山し、盛んに撮影していた。
 長峰からの雪は、日照の為腐り、滑らなかった。
悪雪でも滑れば何とか対応できるが、つんのめるようでは実に滑りずらいと言うものである。
杉の造林地を過ぎ、沢からミズナラ尾根に向けて平坦な道を歩く。
ミズナラ尾根は、もっと滑りやすい印象があったが、雪が多く,枝近くまで積雪があるためか枝が邪魔くさい。
あとは、スピードをなるべく殺さぬよう、ターンも最小限に抑え、程なくゴールに到着した。

コースタイム 二分除雪最終地点7:10 保久礼小屋9:05 大岳11:30 着14:05

造林地取っ付きからの大岳全貌 不動平付近から守門岳への縦走路稜線
不動平から見る長峰・大平・旧守門村・古志郡の里山山並み 大岳山頂からの守門稜線
入広瀬Sさん曰く「豚の角煮」状態・・・ほぼ5m強(保久礼小屋) 名手小出Sさんの滑り

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