平成19年8月20日浅草岳草刈登山第2日目

 朝、所用を済ませ9時過ぎに家を出る。
ネズモチ平のゲートを開け、桜曽根まで車で入る。
ネズモチ平大駐車場には車は1台も無く、山は自分ひとりと予想された。
桜曽根からの登山道は、刈り払いがされていなかった。ここは別の人の担当である。
登山道の脇にはホツツジが花を付け、初秋の佇まいとなっている。
10分も歩くと木道が所々施され、割と歩き易いものだと感じる。
さほど暑くはないが、燃料その他の重さの影響かスローペースでも汗が出る。たぶん気温もそこそこ高いかも知れぬと思う。
 嘉平与のボッチの前衛ピーク近くになると、アカモノの実や僅かに残ったオオバスノキの実が見られた。
アカモノの実を花柄ごと食べてみる。僅かな甘みとそれプラスアルファの旨みがあり、毎回美味いと感じる。
登山道脇のマイズルソウも結実し、オオカメノキは赤い実を付けている。
ネズモチ平側の急斜面を見るとリョウブやノリウツギの装飾花が目立ち、オオバセンキュウのようなセリ科の植物が特に目立っている。
 浅草岳の名前の由来は、浅い草の山と言う語源と聞く。嘉平与のボッチからの景観は、まさに浅草と呼ぶに相応しい草原が続いている。
既に終わり近いキンコウカやオヤマリンドウ、これから盛りを迎えるであろうイワショウブが、草原にアクセントを加えている。草原は、ヌマガヤを中心としたイネ科の植物と、やや湿り気のある所に生きるカヤツリグサ科の植物に大別されている。これらの草原に風が通る様は、浅草岳の真骨頂である。
また、新しく施工された人工的な美しさの木道は、良いバランスで絵になる構図となっている。
 前岳ジャンクションには11時過ぎに到着し、作業を行なう前に昼食とする。
シャツは大汗で全て濡れ、そこに風が吹き寒いくらいとなる。
15分ほどで昼食を切り上げ、ネズモチ登山道を数分下降すると草刈機がビバーグしている。
燃料を補給し、カッターの刃を交換する。作業開始直後早速石を叩くが、石がスッパリと切れている。
10分ほどで、前岳ジャンクションまで刈り取り終了し、前岳直下のヌマガヤを少し刈る。
前岳の草原を過ぎると矮小の潅木帯となる。ここには最も刈りずらいチシマザサの小型化したものが繁茂している。
あまり深く刈り過ぎると、カッターの刃で木道の接合部分の金属を叩く恐れがあり、木道の水平面と同等くらいにとどめて刈るようにする。
しかし、うっかり金属ビスまでスッパリと刈ってしまった。ノーマルな刃なら刃が折れていたであろうがチップソー刃は欠損することはないようだ。
無心で刈っていると後ろに声のような気配を感じた。ふと振り向くと女性が立っている。
慌てて作業を中断し、エンジンを停止させる。
未だ後ろから来ますか?と尋ねると、別のパーティーがあと4人来るという。
後ろの気配に注意しながら時折り振り向き、作業を進める。
山頂直下のリング状の木道で互いに行き違い、4名は山頂へと向かった。
山頂直下の道で、4名の折り返しをエンジンを停止させて通り過ぎるのを待つ。
山頂の祠で蛇がいた・・と言う。
2時に折り返し、今度は草刈機を担いで下る。
途中で、カヤツリグサ科やイネ科の不明な種を調べようと画像を撮る。ついでに風景も撮る。
4名の登山者を追い越し、桜曽根まで一気に下山する。
ネズモチ平の大駐車場に着き、ついでに管理棟内とトイレの掃除を行なう。
 未だ夏は続くが、同時に秋は進んでいく。賑やかな秋の山へと変わっていくのであろう。

山頂直下の池糖
大岳直下
嘉平与ボッチ先ムジナ沢源頭から前岳を望む
三脈が目立つオオコメツツジ

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