9/2 光明山(879m)

 光明山は、守門岳に登ると見える山であり、何時かは登ってみたい山の一つであった。また、5年前から歩き始めている八十里越えでもこの「光明山」の地図は良く使われてきた。
2005年でも残雪期に田代平林道から五兵衛小屋まで至った経緯があり、その時にもこの「光明山」を利用した。地図では、頻繁に使われていながら肝心の光明山への登頂は未だであった。
 笠堀ダムの登山口を8時半に出発。今年になって初めて登山靴で歩く。 
早朝は涼しかったが、この時間では厭に暑い。ずっと緩登で杉林の日陰の道を歩くのだが、気温と湿度が高く、二の腕には汗が粒々状になるほどであった。
ずっと杉の植林地の緩い斜面を登っていくと、次第に杉はなくなり682直下をへつるようなコースとなる。
へつりコースには、丁寧に虎ロープが架けられ、足元は滑りやすい岩だった為大変助かった。その後、ジグザグの急登を登ると「七曲がり峠」の案内板と祠があった。
しばらく緩い平らな箇所を歩き、稜線への取っ付きの斜面を登っていく。稜線の取っ付き付近に「五合目」と案内板があり、ちょっとがっかりする。
稜線を所々外しながら、なるべく合理的に登山道は進み、ペロリと万之助山ピークの分岐に着く。ここは前光明とも言われているようである。光明山まで1時間20分と記されている。この暑さでは到底着けそうもないと思う。
さしたる標高もなく、風も殆どない日であり、直射日光はびりびりと容赦なく注いでくるのだ。幸い、主稜線の岩場の岩は、硬くごつごつしており、グリップは最高に良く全く危険性は感じられなかった。先人達が楔でステップを切り開いたのであろうか、岩の一つ一つに細かく刻みが入れてあった。また、大きな岩が進路を塞いである所は、チムニー状に岩を削り取ったものであろうか、深い歴史を感じてしまった。信仰の山と砥石の山として多くの先人達が切り開いてきたのであろう。各所各所でそれぞれ手を合わせたい気持ちになった。
 「笠堀砥石中継小屋」と記された道標があった。これは所謂中光明のことであろうと思う。
光明山まではまだまだ長そうだ。
光明山直下の鞍部から、のらりくらりと騙し騙し重い体を一歩一歩押し上げる。山仲間が言った、足を一歩一歩動かせば、あら不思議、進んでいる・・・・と。まさにそんな感じで、何はともあれ炎天下の光明山頂上に着いた。
 暑くて仕方ないので、上着の半袖を脱ぎ、汗を絞った。近くの石に干し、ズボンも膝まで下げ、パンツ一枚状態で昼食とした。それでも、胸の辺りにはプツプツと既に別の汗が噴出している。とにかく暑い日だ。
30分ほど、山の同定など行ったりしゆっくり休んだ。
下りでも、さほど早くは歩けず、結局3時間たっぷり要した。

『山は高さである』という。『山は高さではない』とも言われる。スタンダードに言われるのは後者であるが、まさに光明山も高さの優劣では測り切れないスケールの大きな低山であろうか。
巨大な川地山脈の大海の真っ只中に、長い岬を作り、各山の海を見渡せるような灯台のような山である。
 光明山には、再度登ることもあるであろう。しかしそれほど多く登ることもないであろう。
守門岳には良く登る。そして登った山として光明山を見ることが出来る。今度守門に登り、光明山を見れば深い愛着を持って眺めることが出来るであろう。

コースタイム
登山口(220m)8:30  682m下へつり9:25  七曲峠9:32  五合目10:15  万之助山ピーク分岐10:47
祈願塔11:25  笠堀砥石中継小屋11:40  光明山12:00  光明山12:30  
笠堀砥石中継小屋12:45  祈願塔13:00  万之助山山頂13:45  五合目14:10
七曲峠14:45  登山口15:35

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