2011年6月5日  桜曽根から浅草岳、六十里下山

 自然環境保護パトロール・植生保護ロープ設置作業・鬼が面山塊整備兼コースチェックなどの目的で、この間と同じアスファルト終点から少し行ったところの雨量計の所から歩き出す。
 植生保護ロープの鉄筋棒をイボ竹で代用している箇所があったので、鉄筋棒を5本ほど担いで歩き始める。
 雨量計の近くや、その手前辺りも、すでに車が何台も駐車していた。登山が目的の人や、釣り、本来ならば禁止されている山菜採りも多々いるようだ。
 雨量計から桜曽根まで1時間ほど要する。ネズモチ平から桜曽根までの林道はまだ雪が多いが、かなり融け出していて道路の端を随分と歩けるスペースが増えてきたようだ。
 前岳直下まで取り合えず行き、そこで荷物を降ろし、ムジナ沢源頭付近から前岳に向けて鉄筋棒をハンマーで打ち込みながら設置していく。最初の部分はまだ雪が被っていて、取り付けることができない。

 天気予報は曇りであったが、上部はほぼガスで覆われており、前岳の山頂付近ではかなり白くホワイトアウト状態となった。
 浅草岳手前のテラスに荷物を置き、上部から作業を再び開始する。こんな天候なのかほとんど登山客もいないであろうと思っていたが、昼近くなるにつれ、どんどん登山客は増殖し始めた。
 前岳直下と浅草岳直下にほぼロープを設置できたが、1時間半掛かってしまった。あとは、鬼が面山の稜線の様子を見ながら下れば良いので、ゆっくりと弁当を食べ、12時半頃山頂直下テラスを出た。
 鬼が面山山塊登山道は私の整備担当であり、ものすごく愛着がある。それは、とても過酷であり、長いからである。前岳からムジナ沢ガッチに向けて下り始めるのだが、昨年の事を思い出したりして感慨深くなる。
 
ツバメオモト・タムシハ゛・ミツバオウレン・シラネアオイ・ハクサンシャクナゲ・イワウチワ・イワカガミ・ショウジョウバカマ・ムラサキヤシオ・イワナシ・カタクリ・ナガハシスミレ・コシジオウレン・ナエバキスミレ・エチゴキジムシロ・キクザキイチゲ・オオカメノキ・ハクサンイチゲ・タケシマラン・ユキワリソウ・アズマシャクナゲ・ベニサラサドウダン・エンレイソウ・ヒメイチゲ・ミヤマカタバミ・マルバマンサク
開花植物としては上記のようなものが見られた。とくにシラネアオイは盛りであり、いたるところに群生していた。崖地の際のところに多く咲いていたので、撮影するあまり滑落して死なないように注意したい。
 野鳥に興味のある人は皆無と思われるが、一応参考として・・。一般的な鳥はいたが、特に今まで聞かれなかったクロジや、驚愕のホシガラスが10m接近で見ることができた。ホシガラスは高山鳥として知られるが、鬼が面山塊は1500mに満たない山塊でありながら、不思議と高山性の植物などが見られる地形である。そういった理由と関係しているのか否かは不明だが、ホシガラスを見ることができ、とても興奮した。
 とにかく登山道も花々が埋め尽くし、岩壁もサクラソウ科のユキワリソウやハクサンイチゲなどもみられ、植物に興味のない私も感動できるほどのシチュエーションであるということをまず伝えたい。
 
 鬼が面山山塊の稜線はほぼ雪もなく、安全である。ただ、今年に限って言う訳ではないが、鬼が面山から南岳に至るまでのコースで福島県側がすっぱりと切れ落ちている箇所も数箇所あり、そこのところはじゅうぶん新潟県寄りに歩くことをお勧めする。あと、南岳からから南方向の1300m前後の登山道は雪に埋もれている箇所があり、その箇所については地形図と高度の関係を周知し、正規ルートへと取り付くことが必要であろう。
 注意するのは、その辺の緩斜面の道だけである。

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