2022年3月17日(木) 浅草岳(前岳撤退)テレマークスキーBC  ソロ

ホテル跡6:55  白崩れ滝見場7:35  ヤジマナ滝p8:45  アイヨシp9:35  嘉平与のボッチ10:25  前岳10:45
ホテル跡12:00

 予報は曇りであったが、気が進まぬ中出発。
 およそ誰もいないであろうと思われたが、案の定であった。
 スキーを装着する場所まで行くには3mを超す雪の壁をよじ登る必要があった。ここ数年平均の倍はあろうかと思われる積雪である。
 昨日のトレースは、歩きが3名、スキーが2名といったトレースであった。犬連れもいたようである。
 ヤジマナの滝が見える尾根あたりからガスで見えなくなり始めた。
 雪もザラメの柔らかい感じから、クラスト傾向となり、楽しめるスキーは出来ないと思い、モチベーションは下がりつつあったが、なんとかその上のアイヨシ沢源頭尾根あたりまで行ければと視界の悪い中、ただただ前日のトレースだけを頼りに進んだ。
 アイヨシ沢源頭尾根では更に風も出て、さらに視界は悪くなっていたが、いくぶん明るい感じにも見え、軽く食料を胃に収め上を目指した。
 とにかく視界がなく、現在地に関しては概ね嫌というほど来ているのでわかるが、それでも周りの景色がないというのは心細いものである。
 ヤジマナ沢源頭pに至るまでに雪は完全なるアイスバーンとなり、厭な感じではあったが、なんとか山頂まで至りたいと思っていたので嘉平与のボッチを過ぎ、前岳にもう少しで着く寸前に強烈な風が吹き始めた。それもムジナ沢側からなので、急斜面側に身体を持って行かれそうになる。とてもこのまま山頂を目指すことは危険と判断し、すぐ引き返しにかかるが、なにしろ強風で迂闊に動けないので、シールを着けたままボーゲンや階段下降などをしながら少しづつ高度を下げ、前岳直下の平らなところで風のあんばいを見ながら速攻でシールを剥がし滑走に入った。
 とにかく視界がなく、慎重にほぼアルペンスタイルでゆっくり滑走した。その下部、1300mから1100mくらいまではブレーカブルクラストで板がずれてくれない。2回ほど板を捉えられてしまい転倒。なにしろこの天候でソロでもあり、ケガだけは避けなければと安全を期し、プルークや斜滑降キックターンをしながら1100mくらいまで下降。その後はクラストもやや緩み、なんとかターンできる雪になってきた。ただ、今度はザラメの超腐れ雪であり、これもまたワンステップターンやツーステップターン、アルペンターンなどを折り混ぜ、無事に着いた。
 貴重な経験をし、得るものは多くあったが、たまたま何も起こらなかったからいいものをリスク強度は高いものであった。

 
 
1200付近  
 
だいぶ見えてきました950 
 
 ヤジマナp900
 
国有林境 
 
車道からの取り付き 
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