2009年9月22日 八十里越え
7名のお客様と6時に吉ヶ平を出る。近くの森では猿が鳴き、餌を採るなと威嚇しているのであろうか。沢山のオニグルミはあるがあまり実が付いていないようである。大きなヤマグリの木があり、そこには沢山の実が付いていた。 辺りにはキツリフネ・ミゾソバがあり、秋のささやかな彩りを添えている。
雨が池分岐からは、最近刈られたと思われる痕跡が有り、コースは悪くないと期待する。杉の大木の林を過ぎると小木杉の植林地があるのだが、ここの林は綺麗に下刈りがされてあった。まるで今までの八十里道とは違い、明るい空間が生まれている。
いつもどおり椿尾根で1回目の大休止をとる。今年初の椿尾根である。まさにいつもどおりの椿尾根ではあるが、ここを訪れるお客さんにとっては初めての地である。それぞれが思い思いにコースタイムを書き込んだり、デジカメで道標を撮りこんだりしている。
椿尾根を過ぎても刈り払いは綺麗に行われていて、スズメバチの気配もない。このままずっと鞍掛峠まで刈り払い済みであって欲しいと祈る。
少しづつ予定時間を食ってきていたが、程なく番屋乗り越しに着く。番屋乗り越しからは草が茂る箇所も多い為、刈り払いの状況が気になったが、ここもやはり程よく整備されていた。ただ、スズメバチが数匹クロバナヒキオコシやサラシナショウマに取り付いていたのを確認。
番屋乗り越しから火薬跡に向かって歩いていると、下方に大谷ダムと新国道、前方には川地の名手粟ヶ岳や矢筈岳・青里岳などが見えてきた。遥遠くに浅草岳も見え、目指す鞍掛峠は直線距離にすると近く見えるが、一旦ブナ沢に下りてから再び登り返さなければならない事などを説明する。
火薬跡では撮影タイムを少しもうけつつ、標高を下げていく。一面の見事なブナ林に、皆が満足していた。以前大木が倒れていたが、チェーソーで切られ、元の道が復活していた。
高清水沢では水が枯れ、給水が出来ず空堀小屋跡の小沢で水をとる。この沢はいつもひんやりとしていて、冷水が確保できた。
空堀で再び休憩をとり、以降ゆっくりと鞍掛峠に向けて少しづつ標高を稼いでいく。烏帽子の鼻は少し色づき、早い秋を感じさせる。
鞍掛峠直下のいやらしい草付きの箇所も、大きく刈り払いが施され僅かに蜜を吸いにきていた蜂も居たが、ほとんど危険は感じられない。むしろ、この刈り払いを行った方々は蜂の被害に遭わなかったであろうかと心配する。
鞍掛峠には11:35頃着いた。5時間半以上経過し着いたのである。予定より35分押していた。このまま田代平まで昼食を我慢することもあるまいと、鞍掛峠で昼食とする。
正午過ぎに鞍掛峠を出る。途中の眺めの良い所からは黒姫や守門岳袴腰も見え、思っていた以上に天気は良く、眺望も得られた。田代平で再び小休憩をとる。田代平は草紅葉が始まり、ヤマモミジやオオカメノキなどの樹木が紅葉し始めていた。平らな地形では、より気温の寒暖差が激しいため紅葉の時期が早まるのである。田代は13時に出た。
田代平から、迎えの予定の電話をかけようとするが圏外が表示されている。木の根峠手前の湿地で、電波が通ずる筈と田代出発後かけてみるが、結局木の根峠まで行っても圏外が表示されたままである。今までになかったことである。鞍掛峠では通話可能の表示が出ていたので、次回からは鞍掛で電話するべきと心得た。
田代平から木の根峠までは道の草が太り歩き難かった。木の根峠からも初夏に手入れをした痕跡があったがここの所手入れはされていないようで、日当たりの良い箇所では草が太っていた。ただ、基本的に福島側は崩落地が少なく、道は良いため全く問題にはならない。
休憩数が少し多めであったことと、休憩時間も少し長めとなり、松ヶ崎を出たのは14時であった。
16時20分、大麻平の車道に着く。小休止後16:30より車道を歩き始める。かって知ったる何回か来ていただいたお客さんも居たので色々話をしながらのんびりと車道歩きをする。
17:30ゲートに到着。今回で八十里道は14回目であった。
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ブナ沢手前の見事なブナ原生林 |
同左 |
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田代平 |
田代平 |